43話
その日の夜。
Re:Burst Discord通話。
『いや待って』
鬼灯ガクの第一声。
『クロ初グッズなの!?』
「……らしいです」
一瞬、通話が静かになる。
『えっ』
『マジで?』
『100万登録で!?』
シュウもノアも本気で驚いていた。
「そんな驚きます?」
『驚くだろ!!』
ガクが即答する。
『お前レベルでグッズ無いってどういう事!?』
「箱企画あんまり出ないので」
『理由終わってる』
ノアが吹き出していた。
『いやでも納得出来るの怖いな……』
『クロ、ほんと表出ないもんな』
『配信はしてるのに謎なんだよ』
コメント欄でも散々言われるやつだ。
『でもさ』
シュウが少し笑う。
『逆にめっちゃレアじゃね?』
『分かる』
『ファン絶対欲しいだろ』
『初グッズだぞ?』
「そんなもんです?」
『そんなもんです』
全員即答。
なんなんだよ。
その時、通話へ追加。
『こんばんは……!』
しずく。
『聞きました!!』
「何を」
『クロさん初グッズなんですか!?』
「らしいですね」
『えぇぇぇ!?』
反応が大きい。
『だってクロさんですよ!?』
「どういう意味?」
『もっと前から大量に出てるタイプだと思ってました!』
『分かる』
『俺らもそう思った』
『むしろ今まで何してたんだよ』
「仕事……?」
『裏方じゃねーか』
ガクが笑う。
否定出来ない。
『でも』
しずくが少し嬉しそうに言う。
『なんか嬉しいですね』
「なんでです?」
『初が一緒なので!』
一瞬少し静かになる。
たしかにしずくも初グッズ。
個人勢だし、こういう大きい記念グッズは初めてだった。
『うわ』
『エモい事言うじゃん』
『しずくちゃん良い子だなぁ』
『クロの周り、空気柔らかい』
「なんか最近保護者会みたいになってません?」
『お前のせいだよ』
『クロが人増やしたから』
それを言われると弱い。
実際、最近かなり人間関係広がっていた。
『ちなみに』
ノアが笑いながら聞く。
『何出るんだ?』
「まだ決まってないです」
『アクスタ?』
『缶バ?』
『クロのアクスタ欲しい』
「そんな需要あります?」
『ある』
『絶対ある』
『むしろ売れる』
断言が強い。
『あとさぁ』
ガクがニヤニヤし始める。
『初グッズで他箱混ざってるのおもろい』
「……」
『LIVENTOより先にRe:Burst関連で初グッズ』
『しかも個人勢も居る』
『前例が無さすぎる』
たしかに状況がかなり特殊だった。
『でも』
しずくが小さく笑う。
『なんかクロさんっぽいですね』
「何が」
『普通じゃない感じ』
「褒めてる?」
『褒めてます!』
元気だなぁ。
通話が笑いに包まれる。
その時Discord通知。
七瀬真琴。
『伊織、かなり騒がれてますね』
俺は小さくため息を吐く。
『なんか初らしいので』
数秒後。
『知ってます』
『少し嬉しそうでしたよ』
「……」
またそれだ。
でも否定出来ないのが面倒だった。
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