異世界生活15日目開始
鈴の家で昼に目覚めた山田太郎。その気分は晴れやかそうに見える。鈴も鼻歌まじりで昼食を作っている。ふたりともぐっすりと眠り機嫌が良さそうだ。
「あなたー昼食が出来たわよー手を洗ってこっちきてー」
「うん。今いくよ」
「ってツッコミ無しかい太郎くん」
「うん。ないね嬉しいのに何を言う必要があるんだい」
「ん、太郎くんがいいなら別にいいんだけど」
ふたりはクスクスとお互いに笑いあった。昼食のギガ盛り手作り牛丼を食べる二人。相変わらず鈴の食事は量が多い。
「あのさ、太郎くん。私、頑張るからマイペースで今まで通り進んでね。無理しなくていいから」
「ん、そりゃ鈴さんのようにいきなりは無理さ。ゆっくり追いつくよ」
「よかった。元カレはごめんね。太郎くんの嫌な話するね。元カレは無理して突っ走ってしまったの。そして、焦って燃え尽きるように逝ってしまった。太郎くんは燃え尽きないでね」
太郎は鈴の頭をポンポンと叩く。そしてにかっと笑った。
「マイペースでいいって言ったことを後悔させてあげるよ。俺の歩みは亀より遅いよ」
「うん。亀のように長生きしてね」
昼食を食べ終えたふたりは剣を持って訓練をした。鈴は片手で太郎は両手だ。鈴の教え方がいいのか、勢いとタイミングだけの太郎の剣がずいぶんと剣術らしくなっていた。そして夕方となり、夕食を食べる。大盛りサラダとカレーだった。とても辛く太郎は何杯も水を飲んで旨そうに食べていた。
「太郎くん今日の予定は?」
「ん、最近忙しくて忘れてた用事を片付けてくる。早苗クロフォードという魔法使いの人がいてさ、魔法石の加工を頼んでてすっかり忘れてた。貧乏な人でさ、きっと大きな稼ぎを待ってると思うんだ。錬金術師の家に行く前に寄っていこうと思う。後、ちゃんと鈴さんの伝言伝えておいたよ。あの計画は私も楽しみにしてるってさ」
そして、夕食の後片付けをふたりでして、ふたりでシャワーを浴びてふたりで仮眠して、ふたりで異世界バスに乗り込んだ。それからは別行動で少し寂しいなとふたりは思った。何をするにもふたりでいたい。ふたりはそう思ていた。そうこの時は。




