8 爆。
ドガァァァン! だいばくはつ!
閃光と轟音。モニタに映る映像はノイズまみれ。俺まで揺れてるみたいだ。思ったより威力が高かった。ランクDって最低のEより1個高いだけだろ。大丈夫かよ。俺さっきうっかり防御バフ下げたりしてないよな。
煙が晴れる……無傷。
ふう。安全マージンをしっかり取っておいて良かった。いやー、別に心配してたとかじゃないけど? 俺のシステムからバフ入れてるんだし? 低層で壊れるわけないし?
まあこれも探索の楽しみだよな。低層のは見つけ次第開ける設定でもいいが、今後も一応通知出してストップにしよう。
勿論魔物の場合はストップはしない。通知出せば気付くし、魔物は待っちゃくれないからな。
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[DA_System] Object Dropped!
Loot Identified : [Staff: Unidentified]
Measured Mana Density : 8,700 MP/u (HIGH)
Structural State : Stable / Artifact
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ドロップ通知??
へえ、罠の後からドロップが出ることってあるんだな。罠箱開けるやつなんていないから知らなかった。
まあ、それもそうか。ダンジョンではとにかく安全優先が鉄則。本当なら罠か分からん宝箱なんて開けてはいけません。
みんな真似するなよ! ゴーレムたちは特殊な訓練――もといバフを受けています。
『じゃあ5号。それ拾っといてくれ』
『了解しました』
ログには杖って出てる。なんかそこそこ強そうだな。武器の性能については詳しくないが、レアっぽいし低層産でも自動競売で売れるだろ。
杖は魔石に比べれば遥かに掴みやすいらしく、俺が介入しなくても特に問題なかった。
「おっ」
ログには出ないが、他の探索者のパーティとすれ違った。怪訝そうな顔をしてた気がする。
2階にしては前衛が重装備だったな。他のギルドのやつか? フリーって感じには見えなかったが、東京北ダンジョンとかで何か問題起こってんのかね。
「ま、いいか」
どんなやつがいようが、やることは変わらない。ひたすら最適ルートを攻略してくだけだ。
で、特に何事もなく昼すぎまで探索。地下4階で、待ちに待った魔石が出た。
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[Combat_Log]
>> Target Neutralized: Spike Rabbit
>> Loot Acquired: [Primal_Stone: Small] x1
>> Energy Absorbed: +18 MP
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トゲウサの死体が消滅して、乳白色の結晶が転がる。
5号が鳥籠を地面に置いた。開いた扉からスライムが出てくる。よしOK。そのままいけ。
5号がスライムをつっついて誘導……ちょっとズレたな。地面がデコボコだから、室内とはスライムの移動が若干違うらしい。ここは補正を入れておいた方が良さそうだ。
だが、概ね問題なし。スライムは魔石に覆い被さると、体で包み込んで一体化した。あとは鳥籠まで戻らせるだけだ。
5号が再度つっつく。またちょっとズレてるが許容範囲内だ。スライムは来た道をモゾモゾ戻って、鳥籠に入った。
ここでタイマーストップ。3分20秒。途中ガバったにしては早い方じゃないでしょうか。
早速補正を入れるとしよう。スライムが真っ直ぐ動くことを前提にしすぎてたからな。
ちょっと動くごとに位置を更新して、魔石を基準にルートを変更する。魔力消費は若干増えるが誤差だ誤差。俺は安定性と時間を取るね。
そんなこんなでまた数時間。地下8階にて。
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[Combat_Log]
>> Target Neutralized: Gaze Gore
>> Loot Acquired: [Primal_Stone: Small] x1
>> Energy Absorbed: +115 MP
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2個目の魔石がドロップ!
レアモブなだけあって吸収魔力も多い。いいね。
にしても、もう8階か。今の魔物もそうだが、本来が魔術が使えないとちょっとキツい相手だ。
こいつの特徴は、異常に遠くから攻撃を仕掛けてくること。今回先に発見できたのは運が良かった。
別に遠距離攻撃を仕掛けてくるわけじゃないんだが、目がいいんだ。要は、超遠くから探索者を発見して、めちゃくちゃな速度で突っ込んでくる。
木が多いとこは安全だが、森林エリアの後半は半分草原だ。地響きに気付いたときには回避不可能なまでに加速してる。今のバフだと、当たり所が悪ければ腕の1本くらいは壊れてたかもしれん。
「でも探知は……うーん……」
使うべきは探知。ソナー的な魔術で、宝箱とかの鑑定にも使える汎用魔術だ。一応バフで擬似的に再現できはするが、流石に魔力が赤字なんだよ。
普通に使うならかなり燃費のいい術式なんだけどな。これを無理やり再現しようとすると常時300倍くらいの魔力消費になる。300倍だぞ。宝箱の一瞬ですら躊躇する。
つまり、衝突時に全力で防御バフかける方がまだマシってことだ。狙われてるゴーレムだけに入れればいい。
てか、この辺は予め自動化できるな。今は安全取って全員にフルで入れてるが、防御の瞬間だけ1体に集中させる。レガリアでやってたのと同じ感じだ。
瞬時に割り振るのはテストしてなかったな。ちょっとやってみるか。勿論仮想環境でね。
「えーと……」
今のレアイノシシ……なんとかボア? ゴア? ……で設定。距離は100メートルとかでいいか。ゴーレムを5体並べて、ランダムに突っ込ませることにしよう。
自動割り振りをオン。各ゴーレムに割り振ってるバフを魔力にして魔核に戻すだけのラグが一瞬あるが、今回は気にしなくていいレベルのはず。
これを気にしなきゃいけないのは中層以降だな。戦闘が高速化し始めるとこれが命取りになる。手動でバフ入れるとかが不可能な理由だ。
試行回数もキリよく100回で開始。あとは放っておけば勝手に最適化してくれる。よし、ダンジョン監視再開。




