7 再出撃
魔石確保用プログラムは書き終わった。
仕組みはシンプルだ。いずれかのゴーレムが魔石を確認する。一番後ろにいる5号が鳥籠を魔石のそばに置く。
鳥籠は、魔石確認後に地面に置かれると開くようになってる。でスライムが戻ってくると自動で閉じる。
スライムの動きはある程度ランダム性があることを考えて、ゴーレムでつっついたりして魔石まで移動させる感じだ。多少時間はかかるが、ゴーレムが自力でやるよりは遥かに早い。
さっき偽魔石(マ〇クの紙袋マルメターノ)で練習したが、3分もかかってないくらいだ。魔力を含んでない物体でこれだし、改良してけば1分切るのも夢じゃないだろ。
「おーし! お疲れ俺!」
ぱぱっと書くつもりが割と時間かかったな。テストまで込みで6時間弱。
まだあんまり眠くはないが、ここで寝とかないとしんどいか。自動化してるとはいえまだしっかり監視してないといけない段階だ。スライム式に関しては次が初陣だしな。つまり、ここで欲張って魔物データベースを更新とかやるのは大事故の元ってこと。
ま、無限の睡眠負債があるから寝ようと思えばもういくらでも寝れるぜ。任せな。おやすみ。
*
……おっと。意外に寝すぎた。朝の9時。
まあ9時なら及第点だ。夜までガッツリ行くぜ。
ダンジョンは踏破済み階層はスキップできるから、今日は地下2階から。魔石がドロップしてくれるとありがたいな。そうそうないとはいえ、朝から晩まで潜ってれば運次第で1個くらい落ちる。
適正探索者でそれくらいだから、ゴーレム隊の効率ならもう少し狙えるかもしれない。何はともあれ早速出陣だ。
「行ってこい!」
「了解しました」
ダンジョン着くまでは目を離しても大丈夫なので、軽く朝飯を食べる。つってもカ〇リーメイトだけど。食パンとか買っといた方がいいな。つーかこれ昼飯Ub〇rコースだな。そんなに余裕ないんだが。
いや、どうせなら自宅で眠ってるゴーレム1機動かしてみるか。プログラムは基本同じで問題ないし。それでいこう。
探索者登録はめんどいので後回し。つまり身分証のない野良ゴーレムってことになるが、最悪音声繋げてなんとかする。
個体識別番号を入力、接続完了。名前は6号。
どうせ買い出し行くなら色々買ってきてもらおう。非常食とか。カップ麺とポテチ。健康のためにカット野菜とドレッシングもね。自炊する気は/zero。
ああそうだ、風呂洗い用のスポンジも買わせよう。てか風呂洗い自体もこいつにやってもらえばよくね? 食器とかはキツくても浴槽程度ならいけるだろ。ついでに床掃除も頼む。帰ってきたゴーレムの汚れ落としも頼む。もう全部頼む。
「了解しました」
了解したな? いいんだな? 俺もう全部頼むからな? ゆーびきった。よしじゃあお前も行ってこい。
で、ちょうどゴーレム隊がダンジョン着いたな。入るときだけトラブルないかチェックしとくか。
今回は武器庫に寄らず、直接転移門に。昨日と違う係員だったが、誰が通ってるかにはあまり興味がないらしく、無反応だった。
『ぁーす』
無反応じゃなかったな。多分行ってらっしゃいませの究極系だ。知らんけど。
ま、とにかく無事入場できたならいい。こっからは魔石ドロップ以外で画面見なくてもいいくらいだ。
今日は地下2階からだが、正直な話1階と大差ない。通常の魔物だけであれば即殺レベル、間違ってもゴーレム側が傷を追うことはないだろ。
とはいえ、いつまでもこんな雑プログラムに甘えてるわけにもいかない。改善はちょくちょくしていくぞ。今はバフでゴリ押してるだけで、最適化の余地は山ほどあるからな。
さて、まずは昨日会った魔物だけ登録していこう。トゲウサは膝蹴りを予め組み込んでおく。大体初手であれ打ってくるから、もう接敵時点で加速のバフ入れるようにしちゃってもいいかもな。
次ミ〇キー。あいつはとにかく素早いからなあ。バフってよりデバフが要る。
ゴーレムに魔術使わせるのはいよいよ難易度が高い。一応システムで似たようなことはできるが、まあ色々テストしてからだな。
こいつに限っていえば、まあそこまで頑張って倒す必要もない。逃げるくせに特別美味い魔物ってわけでもなかったはずだ。
逃げるときは直線的に跳ぶから、そこだけ組み込んでおくか。気付かれるまでにある程度接近できてれば、逃げられる前に殺れるはずだ。そこそこデカいしな。
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[Combat_Log]
>> Target Neutralized: Grass Slime
>> Loot: None
>> Energy Absorbed: +12 MP
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何となくログに目をやってみると、早速データベースの効果が出てた。ほらここ。
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>> Target Neutralized: Grass Slime
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相手がクサイムだったって分かってるってことだ。これならトゲウサとかも上手いこと狩ってくれる……はず!
何か見たことない魔物出たら通知音鳴るようにしとこう。データベースには都度追加していけばいい。
さて、次は基礎バフをもう少し作り込むか。今本当に雑な感じになってるからな。
必要なときに必要なだけ入るようにしたい。通常時の消費をもっと抑えても問題ないってことだ。でも、ワンパン圏内には入れておきたい。
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[Buff_Parameter_Control]
>> Target : Unit_01 - 05 (All)
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PWR_OUTPUT : -1000 (MP Cost: -10/min)
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>> Total Power Drain : 17 MP/min (-10 MP)
>> Apply Patch? (Y/n): Y -> OVERWRITE OK
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一旦火力をガッツリ落としてみる。ワンパンできなくなるようなら少し戻していくが、ログと映像見た感じではまだ少し余裕あるくらいだと思うね。
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[DA_System] Container Detected.
[Unit_02] Executing Object-Analysis Subroutine...
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と、通知音。2号が何か見つけたらしい。
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[Analysis_Log]
>> Object Identified: [Treasure_Chest] x1
>> Trap Detection : UNKNOWN
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宝箱だな。
2階の北西か……確か30%くらいの確率で罠だ。低級の探知すらないから文字通り開けるまでわからんときた。
こんな低層じゃ大したものは出ないが、逆に大した罠も出ない。
探索者的に一番キツいのは爆裂かな。だがゴーレム隊的にはシンプルな落とし穴が結構キツそうだ。爆裂罠は今の基礎バフだけでも耐えられる。この階層なら爆発つったって指が飛ぶ程度の範囲と威力のはずだ。
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>> Action Required : Force Open? (Y/n):
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『開けてみろ』
『了解しました』
運命の瞬間。さあ何が出るかな。
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[Unit_02] Opening [Treasure_Chest]...
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宝箱が開く。おお、光り輝いてるぞ。
いや、光りすぎ……てる。
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[WARNING: TRAP DETECTED!]
Trap Type : Explosive Charge (Rank-D)
Status : TRIGGERED
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あっ。




