第三話『入学③』
教室に入ってきた年端もいかぬ少女はそんなことを言った。
一気に教室の空気が重くなり、温度が下がる。
「ふむ、信じておらんようじゃな。七つの少女が教師をしていることが。まあ鼻から信じてもらえると思っておらんかったからのう。まったく。刻闢のやつが事前に伝えておけばよいものを。ちょっと待っておれ。」
そういい祈と名乗った少女は教室の隅の方へ行き何かをいじる。
その瞬間、教室が一つの大広間へと組み変わる。
「なっ!!」
「きゃっ!!」
そういった悲鳴が上がり机も椅子もしまわれていく。
「お主らに信じてもらうために手っ取り早いのが戦闘じゃ。と言っても我は魔術も剣術も使えないからのう。ゴーレムたち。こ奴らを壊さない程度で暴れるのじゃ!!」
祈の後ろに控えていた数十体のゴーレムたちが動き出す。
そして唐突に始まる戦闘。
「みんな!来るよ!きびきび動いて!!」
陽菜が声をかけて我に返る1組の生徒たち。
各々が武器を取り出し、魔術を行使し、ゴーレムを止めようとする。
「ふふん!そんなんじゃ我のゴーレム軍は破れないのじゃ!!」
「『死霊之大群』!!ほら!ほかのゴーレムは抑えとくから!」
「俺の従魔たちもほかのゴーレム抑えるのに回すぜ!」
「なんか金属に効く毒あったかなぁ。あっ!」
「やめなさい唯華!それ人体にも甚大な被害が出るやつよ!」
「ちへぇ~。いいや。大戦斧で殴りに行こう。」
ぎゃーぎゃー騒ぎながらも。少しずつゴーレムを削っていく。
それを見た祈はうなずく。
「ふむ。さすがじゃのう。それじゃあもうワンランク上げるとするかのう。
『限界突破』」
唐突にゴーレムから魔力が沸き立ち、動きが良くなる。
さっきまで晴翔やそのほかの生徒たちの動きについてこれていなかったゴーレムが、攻撃を予測しジャストパリィをしてくるようになった。
「はっ!?きっもい動きするじゃん!」
「すごいすごい!!新技術がいっぱい!!」
「楽しそうな奴らがいっぱいいるじゃん!変人の集まりなの!?一組は!?」
「逆にそういうクラスって楽しそうだよね!!」
「頭のねじぶっ飛んでるやつしかいねぇ!?」
それでも一組の面々は順応し、ゴーレムを少しずつ削っていく。
そうして一時間後。無事最後の一体を機能停止させ、動きを止めさせる。
「ふむ。皆いい仕上がりしとるのう。とりあえず我が特別なのはわかったかのう。」
みんな方で呼吸してる中、教壇に腰掛けた祈先生がそんなことを問う。
「わかった。だがなぜおまえは生徒としてこの学園に来なかった? 」
金髪オールバックの少年が問う。
「ふむ。まずは剣術、魔術を捨てたことじゃな。軍事学校なのに両方ともできないのはさすがにまずいのじゃ。それに、刻闢の奴からスカウトされたことがもう一つとして挙げられるのじゃ。我ら教師陣は刻闢のスカウト受けたやつらしかおらんのじゃがな。」
クスッと笑いながら、楽しそうに語る祈先生。
それを見上げる一組生徒二十名。
「それじゃあお主ら。今日のところは解散じゃ。明日は自己紹介とちょっとしたオリエンテーションもある。寝坊せずに来るんじゃぞ。」
そう告げて祈先生は去っていった。




