第一話『入学式①』
満開の桜が舞い散る朝。一便の船が双子草原から出港した。目的地はシュメール学園島。今日。双子草原から出港した船を含め、十二隻の船がシュメール学園島に向かっている。
『シュメール学園島』
世界最高峰の軍事学校であるシューメル学園とその周辺の町を含む一つの島。黄道円大陸の中心『神海』に浮かぶ島の一つ。
今日。牡羊の月の十八日。今日がシュメール学園二十年に一度の入学式なのである。
「ねぇねぇ。晴兄晴兄!!船!船だよ!!!」
「そうだねぇ。陽菜姉。船。初めて乗ったよ。」
その船の上に一組の双子がいた。
兄の名を新輝橋晴翔、妹の名を新輝橋陽菜という。
生まれた時期はほぼ同時のため、お互いに呼びやすい名前にしていった結果、お互いを兄、姉と呼ぶようになった。
そんな彼らもシュメール学園の生徒。つまり、将来の軍人である。
「楽しみだねぇ。シュメール。」
「そう?晴兄。私は結構怖いけど...」
「何言ってるのさ陽菜姉。怖いかもだけど。その分しっかりと楽しまなきゃ。」
「そうだけど...あっ!晴兄。空飛ぶ鮫がいるよ!!あっちには海泳ぎ鳥も!!」
そのまま陽菜は船の手すり近くまで寄っていく。
「話...まぁいいか。それより、部屋の位置。わかってる?」
「うん!四人とは言え、一軒家が支給されるとか、相当凄いんじゃない?」
シュメール学園は外敵から『地星』を守るための軍人を育てるためにそれぞれの国から出資されていて、環境はがっつり整備されている。五人一組の一軒家や、スーパーマーケット。ジムやゲームセンターまで何でもそろっている。
そんな話をしている間に島が見えてくる。
だんだんと船は速度を落とし、島の港に錨を下す。
「ほら、晴兄!サングラス!」
「えっ。なんで」
「読んだ本にサングラスを付けて仁王立ちして港に立つみたいなことをしてたからかなぁ。」
「あんたたち、そんなところで突っ立って何してんのよ。」
二人が後ろを振り返ると白髪紅眼の日傘を差した少女がたっていた。
彼女の名は雪代冬音。新輝橋双子とは幼馴染だ。
「冬音!ひさしぶり!!元気してた?」
「久しぶり。陽菜。あなたも元気してたかしら。」
「うん。もっちろん!!」
「久しぶり。冬音。もしかして同じ一軒家だったりするかもね。」
「そうね。だったらうれしいわ。料理は晴翔に任せれば済むし。」
「そんなんだから母様に怒られるんだよ。」
冬音はうげっという顔をしながらいう。
「いいの、母様のことなんて。ちなみに場所はどこ?私はここ」
「あっ!!ほんとに一緒だ!!一年間か、それ以上!よろしくね。冬音!!」
「よろしく。二人とも」
という感じで話をそらした。そして、最近の報告をし合いながら、目的地まで進む。
目指すは島中央部にある『シュメール学園』大講堂。
そこで入学式が行われるからだ。
「わぁ~。結構にぎわってるね~!」
「今年は大体五百人弱入ったらしいよ。今年はだいぶ少なめだねぇ。」
「そうなの。珍しいわね。」
そうやってわいわい騒ぎながら待っていると行動に一つの声が響き渡る。
「『固化』」
大講堂の空間が何一つ動かなくなる。いや、動かせなくなる。
晴翔は目線だけを動かして壇上を見上げる。
そこにはーーー
「私はシュメール学園学園長を務める。元『蟹座元帥』の刻闢麗華よ。」
学園長がたっていた。




