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57,見つけた!

 ジュラドースの素材回収のための準備は滞りなく進んでおり、三日ほどで終わって翌日には捜索に出発することになった。

 三日ほどかかったのは、必要な準備がアンドレイの担当分野に集中していたからだ。


 チャリオットの調整と強化はセダムとレウコスが手伝い、魔法陣はチグサが手伝って準備を終えた。

 その間にエリオットは弓矢の準備をしていたので、武器の方は既に各々準備が終わっている状態だ。

 というわけで、調整を終えたチャリオットをルムとニムに装着し、ルムの方にチグサとギーネ、そしてアンドレイが。ニムの方にエリオットとコリンが乗り込んで、ジュラドース捜索に出発した。


「夕方前くらいで発見できなければ戻ろうか。夜にジュラドースに近付くのは危険すぎるからね」

「了解」

「はーい!」


 ジュラドースはそれほど大きく移動していなかったとしても一か所には留まっていない。

 なのでまずは探し出すところから始めないといけないのだが、見つかるかどうかは運次第なので駄目そうならば潔く諦めて帰る心構えも必要になる。


 アジサシは珍しい素材を狙う関係上、駄目なら潔く諦める、という点においてはかなりしっかり身についている。

 深追いして危険な目にあうくらいならさっさと撤退した方が得なのだ。

 というわけで、撤退の時間も決めつつ海の上を進んでいく。


 いつもの馬車よりもチャリオットの方が随分と軽いので、馬たちの足取りは軽やかだ。その分ものすごい速度で進んでいくので、乗っている側はしっかり掴まっていないと振り落とされそうだが。

 まぁ、そうはならないように魔法陣を仕込んであるので、早々落ちるようなことはないのだけれど。


「だんちょー!!なんか居ますよでっかいの!!」

「まだ内流の外に出ないから別の奴だよ!どこ!?」

「あそこです!!」


 前を進むチャリオットからコリンがわくわくした顔で海面を指さしているので、チグサは返事をしつつ海面を覗き込んだ。

 両サイドからガッと服を掴まれたのは無視しておく。一緒に乗っているアンドレイとギーネが落ちないように固定しているのだろう。


「……あれか!ナリュバーニ!帰りも居たらあれ捕まえて帰ろう!セダムなら解体出来る!!」

「はーい!!」

「そろそろ落ち着け、ここで体力使うな」


 チグサはアンドレイとギーネに両サイドから服を掴まれているが、コリンはエリオットに首根っこを掴まれている。そろそろ落ち着け、と向こうでも言われているようだ。

 なんて、楽しく移動している間に、内流の境目が見えてきた。


 ただ見ているだけだと分かりにくいが、チグサの目にはしっかりと水の流れが見えているので、その境目も見て分かるのだ。

 越えたよ、と一応両隣の二人に報告しつつ、その先に目を向ける。


 境を越えたので、ここからは本格的にジュラドースを探して海の上を進んでいくことになる。

 基本的にはチグサの目を頼りに探すが、ジュラドースはそこそこ大きさもあるので、他の者たちも魚影を探していく。


「あれは……違うな」

「どれー?」

「違うから見なくていい、ただでさえ目を酷使してるんだからな」


 顔を向けようとしたら止められたので、仕方なく前を向きなおす。

 そうしてしばらく海の上を進んでいき、太陽が真上に来る頃にサシャが持たせてくれた昼食を軽く食べ、捜索を再開した。


「お……?あ、見つけた!ルム、ニム、ゴー!」

「早めに見つかりましたね」

「そうだな」


 チグサの声に反応して、ルムとニムは勢いよく加速を始めた。

 指さした先の魚影はまだ遠い。のんびりしていると深くに潜られて逃げられてしまうので、急いで近付く必要があるのだ。とはいえ、急加速は危険だが。


「よし、始めるよ!」

「おー!」

「アンドレイ、魔方陣発動!」

「もうやってる」


 ジュラドースの真上を陣取りつつ、先ほどよりも近付いた二つのチャリオットの間に魔法陣を敷いて足場にしていく。

 強く結びつけているわけではないので、チャリオットが離れれば消えてしまう足場だ。それでも、水中で戦うわけにもいかない都合上、足場は多い方がいい。


 魔法陣の展開と同時にチャリオットの側面も展開して足場になっているので、移動中よりかは随分と可動域が広い。ただし、壁が床になったので油断していると落ちかねない。

 つまり先ほどまでの形態が移動用、今の形態は戦闘用、ということだ。


「さ、早めに終わらせよう!」

「まずは何からですか?」

「まずは、あの背中の棘からだ!中央から前に三番!あれ多分取れるよ!」


 ジュラドースの素材を採集するために高度を下げ、その背中の鋭い棘に狙いを定めた。

 チグサが指さしたその棘に、コリンの投げた縄がしっかりと絡みつく。

 こうして素材だけを採集することも多々あるため、コリンはここ数年投げ縄の練習を続けており、その練習の成果は見事に発揮されている。


 しっかりとロープが絡んだ棘の根元にエリオットが放った矢が刺さり、ジュラドースが大きく身じろぎする。

 馬たちがそれに合わせて動いてくれたおかげで誰も振り落とされることはなく、そのまま攻撃が継続された。


「二本目が当たったら一回強く引くよ!」


 ジュラドースに合わせて動く馬たちに振り回されながら、チグサはチャリオットに作られているロープの持ち手をしっかり掴んで声を張る。

 素材採集はまだまだ始まったばかりなので、まだ元気は有り余っているのだ。

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