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魔女の帰路  作者: 水酸炭
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パーティ結成

 ムシントの街に入ったイシェル達は、一直線に冒険者協会へと向かう。道中武具屋やレストラン、書店などがあったが一切目もくれなかった。しかしそれは、アルヴァだけ。イシェルは目に入る建物に興味深々でいろいろ見てみたかったが突き進むアルヴァに付いて行くしか出来なかったため、すぐに冒険者協会に到着した。


 冒険者協会は外見だけ見ても圧感だった。赤い扉の上に金色の装飾が施されており、人が出入りするにしてはデカすぎる造りだった。世間を知らないイシェルにさえその迫力は伝わった。


「・・・・・・いや、どんだけ楽しみなんだよ。」


 アルヴァはイシェルの言葉に全く反応せず、まだ扉の前だというのに目が輝いていた。


 イシェルは無言で右手を上げ、側面をアルヴァの頭目掛けて振り下ろした。


「いっ・・・。」


 アルヴァは両手で頭を押さえイシェルを見上げた。そして目が合いイシェルはアルヴァに微笑んだ。


「ほら、入らないと冒険者になれないよ。」

「・・・はい!行きましょう!」

(こういうとこは子供だな。)

「お金払うの僕ですけど。」

「うっ・・・。」


 中に入ろうとしたイシェルは立ち止まった。


(てかこれってどうやって開けるんだ・・・。)


 イシェルが巨大な冒険者協会の扉を見上げながらどう開けるのかと悩んでいると、アルヴァが扉に手をかけ軽く押した。すると扉は簡単に開いた。


(少し魔力を感じるな。・・・これはまた、すげーな。)

「どうかしました。」

「いや、何でも。」

「そうですか、では行きましょう!」

 

 中に入った2人を最初に出迎えたのは、黒を基調とした冒険者協会の制服を完璧に着こなす女性だった。


「ようこそ冒険者ギルドへ、本日はどの様なご用件でしょう。」


 アルヴァはまたも自分の世界に入っていた。周りには鎧を身に纏った者や身軽な装備で背中に大剣を背負った者、美しい白のローブを羽織った魔法使いなどが居たからだろう。その為、イシェルが答えた。


「冒険者登録がしたいんですけど。あと、パーティを組もうと思ってて。」

「かしこまりました。あちらのカウンターにて、冒険者登録とパーティの登録を行っております。」

「分かりました。ありがとうございます。行くよ、アルヴァ。」

「え?え、え?どこに?・・・って、うわぁっ!」


 戸惑うアルヴァを引っ張りイシェルはカウンターへと向かった。


 イシェルは受付に座っていた受付嬢に話しかけた。彼女は正直ビビっていた・・・。


「あのー、冒険者登録したいんですけど・・・。」

「かしこまりました!ではこちらにお名前と役職をお書きください。」


 イシェルは渡された登録用紙に名前、役職に魔術師と書いた。


(こういうのは正直に書いた方がバレにくいしな。うん・・・、楽だし!!)

「そういやアルヴァって、役職なに?」


 イシェルはアルヴァの紙を覗き込んだ。そこには剣士と書かれていた。


「うん、予想通り!」


 2人は登録用紙を書き終え冒険者プレートを渡され、いよいよ冒険者となった。冒険者のランクはS、A1~A5、B1~B5、C1~C5、Dランクからなり、イシェル達は最低ランクのDランクから始まった。


「受けれる依頼は冒険者ランクと一緒の依頼ランク、またはそれ以下のランクだけになっています。それでは次にパーティ登録を行います。既存のパーティの場合は代表者の同行が必要になります。新規パーティ設立は2名以上で可能です。今回はパーティ設立でよろしかったでしょうか?」

「はい、大丈夫です。」

「代表者はどちらになさいますか?」

「んー、アルヴァで。」

「え!?」

「良いでしょ!それでお願いできます?」

「分かりました。では、登録をおこないますね。」


 パーティ登録は、冒険者協会がパーティの人数と入っている団員の名前を記録するだけだったため、すぐに終わった。そして、2人は早速依頼を受けようと依頼掲示板へ向かった。


「確かパーティランクは個人のランクに関係なく最低ランクのDからだったね。で、パーティに入っていれば、個人ランクとパーティランクの依頼を両方受けれると。」

(途中からパーティを結成した高ランカーにも配慮されてるなぁ。いやーすげー。お、パーティのDランク依頼は魔物討伐もあるんだ。)


 そんな事を考えていると、ある依頼がイシェルの目に入った。


「アルヴァ、これとかいいんじゃな~い?」

「えっ、そ、それですか・・・?」


 アルヴァはその依頼を見て狼狽えているがイシェルは完全に無視していた。無言の圧というものに負けたアルヴァは、諦めた。


「うう、分かりました・・・。それにしましょう・・・。」

「よし、決まりー。危なかったらちゃんと助けてやるから、安心しな。」

「ほんと頼みますよ・・・。」


 2人はカウンターで依頼を受諾してもらい初の依頼、ゴブリン退治へと向かった。

お読みいただきありがとうございます!

これから頑張っていくので応援していただいたら嬉しいです!

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