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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
奴隷契約の日常

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奴隷は頼まれていない仕事を完璧にこなす

※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。

※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。

コンカフェで働き始めてから、生活のリズムは完全にズレた。


俺は大学の講義と課題と家事に追われている。

一方でノアは、相変わらず家事はせず、昼過ぎになるとコンカフェへ出勤する。

喫煙タイムも欠かさない。


同じ部屋に住んでいるのに、別の時間を生きているみたいだった。


ある日、俺は家で課題のレポートをPCで作成していた。


締め切りが迫っている。

キーボードを打つ指先が、少し震えていた。


コーヒーを飲んでも、集中力は戻らない。


「ご主人様、お手伝いしましょうか?」


背後から声がした。


振り返ると、ジャージ姿の奴隷が、

いつものドヤ顔で立っている。


「いや、いい」

「俺の課題だし、自分でやる」


即答だった。


他人任せにしたら負けた気がする。

相手が奴隷なら、なおさらだ。


ノアは肩をすくめた。


「そうですか」


それ以上、何も言わなかった。


その日は夜遅くまで作業を続けた。


ノアはコンカフェから帰ってきて、さっさと寝た。

俺は机にかじりつき、コーヒーと眠気と戦いながら、

なんとかデータを仕上げた。


そして、締め切り当日。


提出しようとして、手が止まる。


「……開かない?」


さっきまで書いていたファイルが、真っ白だった。


どうやら別のファイルで上書きしてしまったらしい。


頭の中が、一瞬で空になる。


終わった。


単位も、時間も、全部。


その時だった。


コンカフェ出勤前のノアが、

俺のPCの横で指をトントンと叩いた。


視線を落とすと、

見覚えのないUSBメモリが刺さっている。


「ご主人様、バックアップを取っておきました」


あまりにも平然と言うものだから、反応が遅れた。


データを開く。


――そこには、

さっきまで必死に書いていたレポートが、

そのまま残っていた。


膝から力が抜ける。


「……なんで」


「頼まれていませんでしたが」


ノアは淡々と答える。


「ご主人様は非効率なので」

「消す可能性が高いと判断しました」


理由が合理的すぎて、何も言えなかった。


助かった。


間違いなく助かった。


それでも、素直に喜ぶのは癪だった。


俺は思う。


奴隷契約なんて、

人生最大のミスだ。


でも――


こういう瞬間だけは、

少しだけ、


判断を保留にしたくなるのも事実だった。


「あと」


ノアが玄関で靴を履きながら言った。


「次からは三十分ごとにバックアップを取ってください」


「ご主人様は信用していませんので」


ドヤ顔だった。

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