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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
処刑配信始まります!

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処刑配信は終了しました

モリヤのいい声が場内に響き渡る。


「ステラは女を出して負けちまったぁぁ!」


「はぁ?出してないし……殺す!」


ステラの苛立つ声が響く。

手には銀色のナイフが光る。


モリヤは必死にジェスチャーで謝った。



「次の決闘は、裏最強の男!レオン〜〜!」


「……やっとか」


ノアは小さく息をついた。

会場はさらに湧く。


「あのレオンを好きに動かせるってだけで傀儡を殺す価値はあるからな」


「サンクチュアリ潰しにも役立ちそうだな」


レオンは何も言わずに舞台に上がる。


「レオン、じゃあやろう」


ノアは短刀を構える。

レオンは何もせず立ち尽くす。


ノアは不思議そうに首を傾げた。


「やらないの?」


「おーい!」


ノアはザビィを見上げる。


「ザビィ、こいつやる気ないぞ」


レオンを指差す。

ザビィは小さく舌打ちした。


「レオン!お前の妹も痛い目に合わせてもいいんだぞ」


「ニコならもう逃げたけどね」


「……!何度でも誘拐してやるよ!」


ノアはニヤニヤしながらレオンを覗き込んだ。


「だってさ」


レオンは煽るノアを殴り飛ばした。

両腕でガードしたものの後ろにふっ飛ばされる。


「……やるね」


「お前じゃ俺には勝てない」


「じゃあ、死ぬまでだね」


ノアはスーツの埃を軽く払う。


「拳じゃ不利なんだけど」


「なら短刀使え。ハンデやるよ」


「冗談だろ」


持っていた短刀を鞘にしまい奥へ滑らせる。

ノアはそっと息を吐いた。


「ちゃんと殺す気でこいよ」


「呪うなよ」


「それは分からないな」


ノアは少しだけ楽しそうにレオンの鳩尾に拳を突き立てる。

しかし、分厚い筋肉でびくともしない。


「お前の相棒硬すぎ!人間じゃないだろ」


「日々の積み重ねだ」


レオンは殴られた箇所を軽く撫でる。

ほぼ無傷だった。




数十分後、ノアはステージを降り逃げ惑っていた。

レオンへの攻撃は全て効果なしだった。


かと言って武器を使うのはプライドが許さなかった。

並ぶ座席の後ろに隠れるノア。


無情にもスポットライトが居場所を照らす。


「おい!やめろ!」


決闘というより隠れんぼだった。


バキッ、バキ。

嫌な音。


ノアは滑り込むように逃げる。

床に固定されていたはずの座席が飛んでくる。


「お前、拠点壊すな!」


「なら隠れてないで出てこい」


場内は爆笑につつまれていた。


ザビィの横の男が何かを耳打ちする。

頷き立ち上がり、イヴの腕を掴んだ。


「ノア、コイツお前の彼女なんだろ?」


ザビィはニヤニヤと口元を歪めながらイヴの顔を場内に晒す。

イヴが肩を震わせた。


「……や、やめっ」


カチャ。

銃がイヴの眉間に当てがわれる。


イヴの目には涙が浮かぶ。


「ねえ、なんで知ってんの?」


ザビィの横の男を探るように目線が追う。


「俺がお前と話してんだよ!」


ザビィは安全装置を外し、引き金に指を置く。

イヴは自分の口を押さえて、ギュッと目を閉じた。

まつ毛は、ジワジワと涙で濡れた。



「……わかったよ。もういいや」


ノアは自分の上着から銃を取り出すとレオンへ放った。


レオンは足元に転がる銃を拾い上げる。


「どういうつもりだ」


「撃っていいよ」


「は?」


「もう勝てそうにないし」


半壊した座席に座り、最後のタバコを取り出す。

火をつける前に軽く匂いを嗅ぐ。


うっとりと小さく息を吐いた。


「ただし、これ吸ってから」


パァン。

銃声。


ノアの髪がパラパラと落ちた。


「ザビィは、相変わらず下手だなあ」


口に咥え、迷いなく火をつけた。

昇る煙をぼんやりと眺める。


「うまっ」


ノアは座りながらザビィを向く。

ザビィの手には銃が握られ、今にも引き金を下ろそうとしていた。


「ザビィ、最期のお願い聞いてよ」


「あ゛?」


「僕が死んだらイヴは近づけないで」


「……」


「イヴは心が弱いからね。もう使えなくなる」


ノアは、煙を吐きながら目を細めた。



「さあ皆様お待たせ致しました!もうすぐノアの処刑が執行されますよぉぉ」


モリヤの声に場内の熱が再び上がる。


ノアは最後に深く吸うと、タバコの火を瓦礫に押し付けて消す。


その瞬間。

ノアは隠し持っていたステラのナイフを思いっきり二階に向けて投げつけた。


ガシャン。

何かの壊れる音。


配信用のカメラレンズに突き刺さる。

レンズは粉々に散った。


「配信終了。おつかれさま」


ノアはクスクスと笑った。

ザビィの眉間に青筋が浮き上がる。


「レオン!さっさとやれ!」


ザビィの叫び声が響き渡った。


ノアはくるりとレオンを向く。

両手を広げて、弾を待つ。


「何か、何かあるんだよな……?」


レオンの戸惑う声。

ノアはもう何も言わなかった。


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