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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: しけもく
温泉へ行こう!

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202/202

奴隷が俺の恋愛フラグを折りにきたんだが

※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。

※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。

ある日。


いつものようにリビングのソファで本を読むノア。


膝の上のミルクを優しく撫でる。


静かな時間だった。


そこへ。


イヴとニコがやってくる。


迷いなくノアの両隣に腰を下ろす。


距離が近い。


「ねえノア、この前のデートでさ」


「また映画の新作が──」


二人は普通に会話を始める。


だが。


ノアは一切反応しない。


視線は本の上。


ページをめくる指と撫でる手だけが動く。


ヒロがそれを見て、思わず口を滑らせる。


「ノア、両手に花だな。羨ましいわ」


軽いノリ。


いつものツッコミの延長。


――のはずだった。


ノアの手が止まる。


ゆっくりと視線を上げる。


「ヒロにはサクラがいるだろ」


「いや!サクラはそんなんじゃねーから!」


反射だった。


勢いよく否定してしまう。


言ってから気づく。


(今のは悪手だ……!)


ノアがわずかに考える素振りを見せる。


そして。


「じゃあサクラも貰うか」


「は?」


理解が追いつかない。


次の瞬間。


「や、やめろー!」


ヒロが叫ぶ。


だが遅い。


ノアはすでに立ち上がっていた。


一直線にキッチンへ向かう。


「サクラ」


「ノア様?」


振り返るサクラとの距離を一気に詰めるノアは、耳元へと顔を寄せる。


近い。


明らかに近すぎる距離。


何かを囁く。


内容は聞こえない。


だが。


サクラの反応は明確だった。


「……っ」


一瞬で頬が赤くなる。


ヒロが割り込む頃には、ノアはすでに用事を終えていた。


軽く肩を叩き、そのまま何事もなかったかのようにリビングへ戻る。


ソファに座り直し、本を開く。


完全に通常運転だった。


ヒロはサクラに詰め寄る。


「大丈夫か!?何言われた!?」


サクラは少し視線を逸らし、ほんのり笑う。


「……なんでもありませんよ」


ヒロの顔が引きつる。


(絶対なんか言われてんだろ……!)


その一連を、廊下からユイがじっと見ていた。


やがて、何かを理解したように表情が明るくなる。




──その後。


ソファ。


再び静かな時間。


ノアは相変わらず本を読んでいる。


そこへユイが近づく。


「ねえねえ」


ひょい、と顔を覗き込む。


ノアはページをめくりながら答える。


「なに」


「ノア君、お兄ちゃんで遊んでるでしょ」


「別に」


即答。


興味のなさがにじむ声。


だがユイは気にしない。


むしろ楽しそうだ。


「私も遊びたい!」


「そう」


相変わらず薄い反応。


普通ならここで終わる。


だがユイは終わらない。


にやっと笑う。


ポケットから一枚の紙を取り出す。


「じゃーん」


ぱらり、と広げる。


ノアの視線が止まる。


数秒。


紙を見る。


ユイを見る。


もう一度、紙を見る。


そして。


ほんのわずかに口角が上がる。


「……悪くない」


ユイの顔が一気に輝く。


「でしょでしょ!」


完全に通じ合っていた。


その様子を。


少し離れた場所から見ていたヒロ。


嫌な予感しかしない。


むしろ。


確信だった。


(あれ、絶対ろくでもないやつだ)


視線の先。


楽しそうに笑う二人。


――最悪なコンビが、ここに誕生した。



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