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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: しけもく
消えた奴隷たち事件

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黒幕が発覚したんだが思ってたよりやばいらしい

※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。

※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。

家に戻ったヒロとレオン。


扉を開けた瞬間、ヒロは一歩だけ足を止めた。


リビングに、すでに人影があったからだ。


ソファでくつろいでいるハルト。


床に寝転がっているステラ。


空気が、緩い。


さっきまでの地下とは別世界だった。


「何してんだ?」


ヒロが呆れた声を出す。


ハルトが片手をひらひらと振った。


「組織が判明するまで待機中」


そのまま大きくあくびをする。


まるで緊張感がない。


レオンが室内を一通り見渡した。


「イヴいるか?」


その瞬間。


タイミングを見計らったように、レオンのスマホが鳴る。


レオンは通話に出ると、そのままスピーカーに切り替える。


「どうだ」


イヴの声が部屋に響いた。


「あの施設、“自由労働プログラム”って団体がやってるみたい」


ヒロが即座に反応する。


「自由労働っていうか布切れで働いてたぞ!」


勢いがある。


イヴは一瞬だけ言葉を選んだ。


「奴隷を働かせて、そのお金で一般人の資格を買わせる施設みたい」


ヒロが首をかしげる。


「じゃあ別に悪い施設じゃないんだな」


その言葉に、間髪入れずレオンが否定した。


「おそらく無許可だな」


一拍。


「潰すしかない」


あまりにも自然に出た物騒な結論だった。


「なんでそんなに物騒なんだよ!」


ヒロが叫ぶ。


レオンは淡々と続ける。


「奴隷商から見たら迷惑な施設だからな」


「揉め事のタネになる」


ヒロの思考が一瞬止まる。


「奴隷商!?なんだよそれ!」


レオンは軽く流した。


「こっちの話だ」


説明する気はない。


イヴの声が再び入る。


「繋がりのある人間のリスト送るね!」


「助かる」


レオンがスマホを操作する。


数秒。


画面を見たまま、わずかに眉を寄せた。


「……面倒なことになった」


ヒロが身を乗り出す。


「誰だったんだよ」


レオンは短く答える。


「ヴェクター・ネットワーク」


ヒロが眉をひそめる。


「なんだそれ?」


「でかい組織だ」


それだけで十分だった。


ステラが体を起こす。


「早めに数減らしとく?」


軽い調子。


内容だけが物騒だった。


「軽いな!」


ヒロが即座にツッコむ。


レオンは思考を切り替える。


「とりあえずノアが戻るまでは待機だな」


少しだけ間を置く。


「長期戦になるかもしれない」


その言葉に、ヒロの表情が曇る。


「……ノア、無事に戻ってこいよ」


小さな呟きだった。




一方その頃。


ノアは、ふらついていた。


さっきまでの“観賞用”に付き合わされた影響が、はっきりと残っている。


視界が揺れる。


足元が安定しない。


それでも、無理やり歩かされている。


施設の奥。


さらに奥。


装飾が減り、機能だけが残る区画。


中心部。


管理者のもとへと連れていかれる。


小太りの男が苛立った声を上げた。


「とんでもない損失になっちまった……お前のせいだぞ!」


責任転嫁。


ノアは気だるげに返す。


「勝手に勘違いしたのはそっちでしょ」


一切の遠慮がない。


「……!」


男の顔が歪む。


「ややこしい顔しやがって!」


完全に八つ当たりだった。


やがて、一つの扉の前で足が止まる。


明らかに他とは違う造り。


重厚で、無駄に威圧感がある。


小太りの男が、わずかに姿勢を正す。


やや緊張している。


ノックする。


「……失礼します」


中へ入る。


そこにいたのは、一人の男。


空気が違う。


「こいつのせいで大損だ!」


小太りの男が指差す。


「真壁さんよ、罰していいよな」


真壁と呼ばれた男は、ゆっくりとノアを見た。


一瞬で全体を把握する視線。


値踏み。


そして判断。


「商品だから、顔はだめだ」


短い。


それだけで決まる。


小太りの男の口元が歪む。


「……他ならいいんだな」


ニヤリと笑う。


どこかへ連絡を入れる。


数秒後。


扉が開いた。


黒い服を着た男たちが入ってくる。


無言。


足音だけが響く。


空気が一気に重くなる。


「顔以外でお願いします」


声が弾んでいる。


楽しんでいた。


ノアの両腕が拘束される。


動きが封じられる。


複数の男たちが、ゆっくりと距離を詰めてくる。


逃げ場はない。


ノアは――


何も言わない。


ただ、静かに思考を巡らせていた。


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