続き17
「もういいわ。強引に連れて行く。お前の祖母の苦悩が分かるのぅ」
<三本首>が俺を咥えようとしたが、俺はそれをひょいっと避けた。
「いや、だから、もう私は正義のヒーローなんですよ」
「お前の祖母の話だと、ヒーローものが好きなだけで、それ以外はドライなくらい現実主義で腹が座ってると聞いた。ならば現状の自分がどういう立場か分かるだろうが」
「悪の組織を倒すヒーロー」
俺がきっぱりと市松人形で変身ポーズで答えた。
「いや、全然ヒーローとしての力を持っておらんだろうが」
「だから、これから必殺技を開発するのです」
俺がきっぱりと答えた。
「いやいや、本当におかしいぞ。お前」
「悪の組織からしたら、そう見えてしまうかもしれない。だが、これはまさにヒーローの黄金パータン。今こそ、俺は三鈴さんの為に覚醒しなければならない」
俺がきっぱりと話した。
「えええええええ? 面倒くさいやつじゃのう! 」
<三本首>がイライラして叫んだ。
「<おやっさん>戦うぞっ! 」
俺が再度出刃包丁を持った。
「待ってください。それよりもこれですよ」
そう<おやっさん>の野崎君が赤々と燃える火炎瓶を持った。
「おおおおおお! その手があったか! 」
俺が感動して出刃包丁を持つのを辞めた。
火炎瓶なら火炎瓶ならやってくれる。
「ふふふふふ、任せてくださいよ」
<おやっさん>の野崎君の目がキラッと光った。
ドジョウ掬い人形だが。
そうして俺と<おやっさん>の野崎君が話し合っているうちに、ウオッカを詰めた瓶につけた布が完全に瓶の中まで入って炎上した。
流石の<おやっさん>の野崎君は火炎瓶を慌てて投げたがそれがウオッカをいれたバケツに入ってさらに炎上した。
そしたら、俺の市松人形の着物にも火が移った。
慌てて俺が逃げ回って転がりまわって火を消そうとした。
だが、慣れない人形の手で<おやっさん>の野崎君がウオッカをバケツに注いだらしくて辺り一面が炎上した。
「おいおいおいおいおいおい! 」
<三本首>が唖然とした。




