続き16
「まあ良いわ。罠も駄目だし、直接戦っても駄目だと分かっただろうが。とにかく、<老公>の元へ連れて行くぞ」
<三本首>が冷やかに答えた。
「え? まだ最終対決は早いと思う」
「ですよね。そもそも必殺技すら出来ていないのに」
俺が慌てて最終対決を否定すると<おやっさん>の野崎君も同意した。
「いや、戦えるわけがなかろう? 」
「戦えますよ。そもそもヒーローと言うものはそういうものです」
「ヒーローじゃなくて<呼ぶもの>だと言うのに」
「<呼ぶもの>と言うヒーローなのでは? 」
「ヒーローじゃねぇから」
<三本首>がいらっとした顔で答える。
「<呼ぶもの>ってのはな。神仏の世界でもいろいろと制約があって皆に援軍とかを頼むのは難しいのよ。本来は神自体は領域を守って居る事が多いしな。仏もまた制約が多い。仏は本来阿頼耶識を通して皆の集合無意識が作り上げた仏を呼んで仏像に込める。その込めた時にそれぞれ願意があって僧が込めた制約がある。だから、それを突破して神仏に援軍を請えるものを<呼ぶもの>と言う」
「へー」
「ほー」
俺と<おやっさん>の野崎君が感心して頷く。
「問題は<呼ぶもの>自体がうまくすれば我等まつろわぬものも呼び集める特性がある。我らはそれを狙ってお前を得たのだ」
そう<三本首>が説明した。
「なるほど、流石は悪の参謀だ。やっと意味が分かった」
「でも、悪の参謀が敵のヒーローに解説して教えちゃうと言うのはどうなんでしょうか? 」
「いや、しかし、あの手の作品は全部、どこからか解説役みたいなのが現れて話をしてくれるでは無いか。敵が調子に乗って話すパータンもあるから、これはセオリー通りでは無いのかな? 」
「おお、ご都合主義と言う奴ですね」
「いや、お前、呪いの市松人形に入ってるから、すでにこっち側だろうに」
「だから、改造された悪の怪人が、その力を持って悪を倒すパターンなんですよ」
俺と<三本首>さんがじっと見つめ合った。
<三本首>さんは深い深いため息をついた。




