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続き7

 その黒いオオサンショウウオはノタノタと口から這い出てくるとふらふらになって俺達を睨んだ。


「流石だな。隠形に長けた、このわしが相手の胃の中に潜んで操っているのを見破るとは……」


 そう、そのオオサンショウウオはそう呟いた。


 それを全員が凄く驚いている顔をして見ていた。


 えーっ? 何でいるの? みたいな顔を全員がしているのだ。


 俺と<おやっさん>の野崎君も驚いて三鈴(みすず)さんを見た。


 三鈴(みすず)さんも驚いていた。


 余程、隠形の術にたけた妖だったらしい。


「……え? わしがいるのに気が付いたのではないのか? 」


 そうオオサンショウウオは驚いた顔で皆を見回した。


「い、いや……気が付いていたのだよ……」


 そう常務が苦しい顔で話す。


 さっきまで一緒に事業を始めたのに給与がどうのと言っていたのに……。


「勿論、私もです」


 石川さんがキラリと目を光らせた。


 だが、眼鏡の奥の目が泳いでいた。


「嘘だろ? こ奴はこの会社のトップなのでは無いのか? 」


 そうオオサンショウウオが唸る。


「世の中はもうそういう時代なのですよ。一部の上級階級が下層階級を安い給与でほしいままにする時代なんです」


 そう俺が答えた。


「貴様等も虐げられていると言うのか? 」


「いや、私は上級国民になりましたので……」


「だから、そう言うオラオラをやめろやっ! 」


 河村先輩が突っ込んできた。


「ねっ、ギスギスでしょ? 」


 そう俺がにっこり笑った。


「お前が加茂だよな」


「ええ」


 そうオオサンショウオウに言われて俺が頷いた。


「ちょっとぉぉぉ! 」


「呪詛の前段階の引っ掛けですよっ! 」


 追儺の実働部隊の人達が一斉に騒いだ。


 つまり、俺に返事させて、誰が加茂か確かめた訳だ。


 それで特定されちゃうので追儺の実働部隊の人が騒いでると言う事だ。



 

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