続き6
「この妖がぁぁぁぁぁぁぁ! ずっと休みが無しだぁぁぁ! 」
そう常務が言いながら、倒れた社長をヘッドロックで固めて立たせた。
「こ、これは……」
<おやっさん>の野崎君が震撼した。
「一緒に事業始めたのに、俺達の給与をケチりやがってぇぇぇぇ! 」
そうヘッドロックのような体勢で相手の頭を抱え込み、膝に叩きつけながら前方に倒す大技を出した。
「ヤシの実割り……ココナッツクラッシュですよ……あのジャイアント馬◯さんの得意技とは渋いチョイスですね」
そう<おやっさん>の野崎君が感動して解説した。
「いや、いくらなんでも、気絶しているのにヤバくないですか? 」
「寝ている人間に頭部の攻撃はまずいですよ」
追儺の実働部隊の人達が流石に突っ込んできた。
だが、すでに社内は大盛り上がりだ。
倒れた社長を横たえた後に、あの石川さんが動き出した。
近くのデスクを利用して、その上から背中を向けた状態からジャンプし、バック転をしながら横たわっている社長めがけてボディ・プレスを仕掛けるムーンサルトプレスだ。
しかも、武◯敬司ばりのキレだ。
「本当に異才なんですね。あんなムーンサルトプレスをみせるなんて」
そう<おやっさん>の野崎君が感涙せんばかりに感動していた。
「三鈴さん見ましたかっ! 」
そう言って、石川さんが目をきらりとさせたもんで三鈴さんが俺の影に隠れた。
だが、それすら気にしないで仕事人と言われる石川さんが満足な数字を出した時にだけでる石川スマイルだ。
「ハートが強いですね」
「確かに」
<おやっさん>の野崎君がそう呟いたので同意した。
だが、全員の想像と違う事が起こった。
「ゴボゴボ……」
社長が口から五十センチくらいの真っ黒いオオサンショウウオのようなものを吐き出したのだ。
 




