続き4
「遠隔で市松人形を辿って攻撃してきたので、今度は本人が直接接触してからこちらに攻撃してくるでしょうね」
そう三鈴さんが呟いた。
「直接、接触? 」
「写真や名前や今回は<老公>の残り香を追って攻撃してきたのでしょう。呪詛とは相手にあって相手の気とかを確認すればさらに強くなります。だから、今度は遠隔で無く接触で来るのではないかと思います」
そう俺の疑問に三鈴さんが答えた。
「となると、ここの所に居なかった人間とか初めて来た人間が怪しいと言う事になりますか」
<おやっさん>の野崎君がそう話す。
「まあ、その話は良いけど。もう終わったか? 」
オフィスのドアの向こうで薫子さんの西洋人形が覗いていた。
薫子さんの背後から目玉を出さずに聞いてきたようだ。
「終わりましたよ」
そう三鈴さんが答えると薫子さんの西洋人形がトコトコと入って来た。
「頼むから、明王系は先に言ってくれ」
目玉さんが背後で姿を出さずに愚痴っていた。
「まあ、明王の呪ってもろにお経に対魔王とかありますもんね。まあ、西洋の悪魔と仏教の悪魔とどうなんだってのはありますが」
そう追儺の実働部隊の人が苦笑した。
「ああ、すまん。皆。頑張ってるようだな。やっと家族の目を盗んでやって来たよ」
そういきなり社長が来た。
結構な心労のせいか痩せていた。
「社長っ」
「すまんな常務。人が一気に辞めたとか。俺も社長だ。手伝うよ」
そう疲れた顔で社長が答えた。
その瞬間に<おやっさん>の野崎君が強烈な回転式の肘を社長の顎にヒットさせた。
こないだ、両手の肘あたりを<角錐>さんに破壊された為に、中西君に改造させて、鉄の芯を腕の中に入れて強化したと言っていたが、その打撃が社長を一撃でノックアウトした。
「「「「「「「あああぁぁああぁあぁあぁあぁあああ! 」」」」」」」」」




