続き2
「と言う事らしいです」
そう俺が追儺の実働部隊の人達に話した。
「いや、それは危険だと思いますよ」
「ヤクザとかマフィアとかの刺客と違いますからね」
そう追儺の実働部隊の人達が困惑していた。
「まあ、安心してください。もしもの時は私のパラダイスを守るためだ。私も手伝いますよ」
そう石川さんがすくっと立って話す。
思いっきり空気が悪くなった。
三鈴さんのフィギュアがそっと俺の市松人形の影に回った。
「困ったもんですね」
<おやっさん>の野崎君がそう苦笑した。
その時、俺がふらりとした。
微妙に頭が痛い。
しかし、これは人形なのだが……。
「? 呪詛? 」
三鈴さんが一瞬にして不安な顔をした。
追儺の実働部隊の一人が俺の人形の状態を見た。
「加茂さんの身体は土御門家で守ってるはずですが……」
そう追儺の実働部隊の一人は困惑していた。
「人形に呪詛してるのよ」
そう三鈴さんが呟いた。
「「人形に? 」」
追儺の実働部隊が一斉に驚いている。
「出来ない事では無いな。人形も呪詛によって作られているなら、それに介入すれば良い事だから」
そう薫子さんの人形の背後から目玉さんの声がした。
「ちょっと、真言を唱えますね」
そう三鈴さんが答えた。
「オンコロコロセンダリマトウギソワ。オンコロコロセンダリマトウギソワ。オンコロコロセンダリマトウギソワ」
そう薬師如来の真言を唱えた。
「ほう。確かに、この国では呪いは薬師如来に頼むようだな」
そう目玉さんが呟いた。
それは土御門家で聞いた話だが、薬師如来は病気治しもあるが、古代では呪いに対処する意味で祈られていたそうな。
そして、本来陰陽師は道教とか星神とか方位の神に祈るのだが、三鈴さんは産まれついて仏教系の仏とある神様の加護を得ていたらしく、それで異様な力を発揮する巫女となったのだと。




