続き9
「お前、あれはお前んとこの上司かなんかでは無いのか? 」
<角錐>さんがじろりと黄昏ている常務を見てから俺を見た。
「いや、上司ですが」
「お前が居るからこんなことになってんじゃ無いのか? 」
「いやいや、今のは石川さんの話ですよ? 」
「お前のせいで三鈴が変になって、その結果の話だろ? 」
「何か風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話ですけど」
「いや、お前がいるからこっちも無茶苦茶なんだ。悪魔のような奴めっ! 」
「悪魔って貴方……」
「待て待て、悪魔ってどういう言い方だっ? ちょっと、気に食わんな」
そう言って目玉さんが声をかけてきた。
ややこしくなやりそうなんだが。
「妙な気配があると思ってたんだ? やはり貴様がこいつを操っているのか? 」
「いや、こんな奴、操らんわっ! 」
叫びながらとうとう目玉さんが出て来てしまった。
それと同時にまた残った社員が半狂乱になる。
「嘘をつけっ! まさか、外国が攻めて来てるのか? 」
「いや、わしはこのお嬢の魂の入った人形を守る契約をしてるだけだ」
そう薫子さんの西洋人形を見た。
「ならばなぜここに」
「いや、こいつが、ここで働いたらとお嬢に言ってくれたからな。お嬢も喜んでるし」
そう目玉さんが訥々と話すと、<角錐>さんが凄い顔をしている。
「ば、馬鹿なっ! 貴様は名のある悪魔であろう」
「ああ、魔王であるがな」
「魔王だと? 」
<角錐>さんガ驚愕している。
「まあ、今はどこも魔王だらけですがね」
「なろうとかで一杯あるからなぁ」
<おやっさん>の野崎君が呟いたので俺がそう話す。
「いやいや、あんなのと一緒にするなやっ! 」
目玉さんが叫んだ。
だが、それ以上に、<角錐>さんが衝撃を受けてプルプルしてた。
まさか、悪魔とも同盟を組んだとか勘違いしてるんじゃあるまいか。
困ったもんである。




