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続き8

「やっぱり、お前が問題なのか? お前が問題なんだろう? こんな屈辱は始めてだ」


 <角錐(かくすい)>さんがさらに逆切れした。


「いやいや、何でも私のせいにしないでくださいよ」


 俺が困ったように答えた。


 そもそも、昔話でもおなじみの鬼さんは怖いが、それは周知の物だ。


 だが、変態はまだ新しい。


 さらに、それが普段仕事人みたいなそういうのを全く感じさせない男がその本当の姿を見せたのだ。


 これはインパクトが違う。


「何というか。普段は優しい父親が居たとします。いつも可愛がってもらってた娘さんがお父さんの書斎に入ったて遊んでたら、書斎の本棚のブックカバーの中にに違う本が入ってました。それをふと娘さんが見たら、それがロリコンのエロ漫画だったらどうします? 」


 俺がきりりと<角錐(かくすい)>さんに説明した。


「むうう。娘に対してのインパクトが半端ないですね」


 そう<おやっさん>の野崎君がそう頷いた。


「いや、何の話やねん! 」


 河村先輩がたまりかねたように突っ込んできた。


「何でもそうですが、あの人が実はとかが一番怖いんですよ」


 そう俺が話す。


「いやいや、待ちたまえ。だから、私はそういうリアルな変態では無い。フィギュアと淫行とかありえないだろ? 私はそのフィギュアの姿をめでているだけだ。言わば仏像の美しさを追い求めるようなものだ」


 石川さんがきっぱりと話す。


 マジでそう思っているらしい。


「でも、フィギュアのアニメのキャラに合わせたダッチワイフが今ありますよ」


 そう<おやっさん>の野崎君がそう答える。


「もう、こんな職場はいやぁぁぁぁぁ! 」


「もうたくさんっ! 」


 そう数名残っていた女性社員が叫び声をあげて荷物を持つと帰ってしまった。


 全部辞めてしまうのかもしれない。


 常務が出ていくときのドアの開け閉めで風が吹いてはらはらと髪が流れていった。


 せつない。


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