続き5
「すいません。姉の事でご迷惑をかけました」
鈴与ちゃんも三鈴さんを少し待ってたけど、戻ってこないみたいなんで、常務とかに頭を下げた。
「いやいや、良いですよ。お姉さんもいろいろとこんな奴なんで大変でしょう」
河村先輩が俺を見て鈴与ちゃんを見て笑った。
「まあまあ、こういう問題は家で良く話し合え」
常務もしれっと俺に注意した。
「いやいや、鈴与さん良いですよ」
「お気遣いなく」
皆が鈴与ちゃんの可愛さにとろけそうな顔で笑っている。
これは、ひょっとして土御門家の秘術かなんかなのでは無いのか? などと思ってしまうくらいトロトロである。
そして、俺への風当たりはさらに強くなった。
「まあ、三鈴さんの後を継ぐと言うので大変に苦労している上に人間が出来てますからね。やはり、我々とは違うと言うべきか」
そう<おやっさん>の野崎君が俺に話しかけてくる。
だが、その文章だと、まんま我々に俺を含めているんだが。
人間が出来ているとは自分の事を断言できないが、<おやっさん>の野崎君にまで言われるとは。
何とも納得いかない感じだ。
「とにかくお義兄さんはお姉ちゃんとよく話してください」
そう鈴与ちゃんに言われた。
いや、そう言われてもと思ったら、オフィスのドアが開いて、フィギュアが入って来た。
最近のアニメ関係で無茶苦茶人気のある女性キャラのフィギュアだ。
しかも、水着のフィギュアである。
「「「「「「え? 」」」」」」
全員が固まった。
<おやっさん>の野崎君まで固まっていた。
「あの、すいませんが、私もここで働かせてください」
そうその女性キャラのフィギュアが喋った。
間違いなく三鈴さんだった。
「お姉ちゃん……」
あまりの事に鈴与ちゃんが絞り出すように呟いた。




