続き4
「あの……三鈴さん……俺は御覧の通り非モテですし、心配しなくても大丈夫ですよ? 」
俺がそう困って三鈴さんに話しかけた。
三鈴さんがそれを聞いて困惑した顔をしている。
やれやれ、俺が三鈴さんを裏切るなんてありえないのに、困ったもんだ。
「いや、それって、年上のお姉さんとかが若い子に告白して、年上のお姉さんがこんなおばちゃんにとか言うのと一緒では無いですか? 」
<おやっさん>の野崎君が余計な事を言う。
「いや、どういう意味? 」
俺が動揺して聞いた。
「いや、お前が思ってるよりも向こうは必死で心配してるのに、そんな軽く言われたら余計に不安になると言う事では? 」
河村先輩がさらに煽る。
「いやいや、煽らないでくださいよ」
俺が三鈴さんが不安そうな顔になったので余計に慌てた。
「ふふふふふふふ、そんな事で動揺すると言う事は、まだ薫子に目があると言う事だな」
目玉が声だけで余計な事を言った。
「ちょっと! 何で煽るのよっ! 」
薫子さんが西洋人形の手をパタパタさせて騒ぐ。
「だって、悪魔だもん」
声だけなのでパニックにはならないようだが……。
悪魔はねぇよな。
少しざわっと来た。
だが、それ以上に三鈴さんの顔がドンドン怖くなってきた。
「ちょっと、お義兄さんっ! 」
鈴与ちゃんが叫んだ。
と同時に三鈴さんが窓から一瞬に消えた。
身震いするような気配を残してだ。
「あ、帰りましたね? 」
「面白くねぇな」
<おやっさん>の野崎君の呟きに、目玉が呟く。
「ちょっと、いい加減にしなさい! 」
薫子さんがまた怒って手をパタパタさせていた。
だが、それで終わらなかった。
三鈴さんが凄い負けず嫌いとは知らなかった。
胃が痛い。




