続き1
「いや、私的には愛妻に見守られてて嬉しいんですが……」
俺がほっこりと答えた。
「いやいや、ここ何階なのか分かってる? その窓に張りついているんだよ? 」
そう常務が囁いて俺に突っ込んできた。
「あんな美少女が窓に張り付いてるんですよ! ご褒美じゃないですか! 」
俺がそう叫んだ。
三鈴さんが顔を真っ赤にしていた。
だが、今回は会社から帰らないのだ。
「そんなに俺から離れたくないなんて……」
俺がそう喜んだ。
「いや、違うだろ。どうも、お前はそういう所が鈍感だな」
そう河村先輩が苦笑した。
「は? 結婚もしてない貴方に言われるなんて。川村先輩は今彼女もいないでしょうが」
「そういう、オラオラ煽るの止めろって皆が思ってんだぞ? 」
河村先輩が立ち上がって文句を言った。
「何が、オラオラですかっ! 」
「数字は出してます! 無茶苦茶可愛い嫁さんがいます! 上級国民です! 全部じゃねぇか! 」
そう河村先輩が机をバンと叩いて叫んだら、ほかの社員が全員頷きやがんの。
「どう思うかね。<おやっさん>」
「オラオラはともかく、鈍感なのは確かですよ」
「はあ? 」
俺が<おやっさん>の野崎君に聞いたら、意外な事を言われた。
「どう見ても、薫子さんと加茂さんの仲が心配で来てんじゃないですか」
「そうだよな。それ以外ないじゃん」
<おやっさん>の野崎君と河村先輩が同意した。
あまりの事に俺が市松人形の口をばかりと開けたままになった。
「なんですと? そんなのあり得るわけないですが。私は三鈴さんに首ったけですし。そもそも薫子さんが俺など相手にしないでしょうよ」
俺がそう断言した。
俺は三鈴さん一筋なのだ。
「いや、薫子はお前に懸想してるぞ? 」
そう目玉さんが出てきて笑った。
「は? 」
俺が固まった。




