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7部 終わり

 大家さんのおばあさんは大喜びで土御門家に委託する形で真行寺の屋敷を売却した。


 想像以上に高く売れた上に、お孫さんの病気も治り大喜びしていた。


 そして屋敷も正式に真行寺薫子さんのものになり、そのお金を土御門家が非常に低利で貸した。


 お屋敷の所有者の真行寺薫子様は人生で初めての仕事を、我がブラック企業ですることになった。


 人生では病気がちで家で臥せっていたそうで、夢だった会社勤めが出来て大喜びしていた。

 

 人形になってお屋敷でいろんなことを勉強していたそうで、驚くことに非常に有能だった。


 あの辞めたお局さんが十人に増えたくらいのインパクトがあった。


「あ、書類のコピーが出来てる」


「凄く、仕事のスケジュールが把握しやすくなった」


 コピーなど雑事が速いだけでなく、各社員のスケジュール管理を行った。


「茶が旨すぎる」


 そうお茶が旨い。


 しかも、お菓子が手作りだったりして。


 俺たちに慣れていたせいか、人形の新しい社員として真行寺薫子さんが来るのを不安がっていた常務の予想を裏切り、暗かったオフィスが明るくなったのだ。


「なんなんでしょうね? 」


 <おやっさん>の野崎君が呻く。


「いや、受けいけられたんだからよかったじゃないか。すごい勢いでパソコンも習熟しているようだし」


 俺がそう話す。


「いや、こないだまで俺達は無茶苦茶嫌われてたのに、なんであんなにあの娘は歓迎されるんだろう? 」


 <おやっさん>の野崎君が愚痴る。


 実は俺もそれは少し思ってたりして……。


 なんで、あんなに歓迎されるんだろうか。


 その時、オフィスのドアが開いて社長が来た。


 体温40度までは平熱と社員に言って仕事をさせてただけに、いつまでも休むわけにいかず無理して来たらしい。


「ほう、凄いじゃないか」


 社長が壁に貼ってある実績の棒グラフを見て喜んで自分の社長の机に座った。


「お茶です」


 そう西洋人形の薫子さんがお茶置いたので社長がそれを飲んだ。


「ほう、旨いじゃないか……」


 そう呟いて西洋人形の薫子さんを見た途端に社長が茶を吹いてスローモーションのように倒れて気絶した。


「し、社長ぅぅぅぅぅぅ! 」


 常務が絶叫したが社長は起きなくて、また救急車で運ばれていった。


 めでたしめでたし

 

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