続き15
「大家さん。この家を土御門家に売りませんか? 」
そう俺が大家のおばあさんに聞いた。
「ど、どういうことだい? 」
「いや、そのままの通りですよ」
俺が笑った。
「……そこの悪魔さんに聞きたいのだけど、うちの孫はどうなるんだい? 」
「お前の孫がこの屋敷を所有している限りはそのままだ」
「じゃあ、売るよ」
大家のおばあさんが即答した。
「? お孫さんが? 」
素に戻った常務が聞いた。
「ここの権利を買い取った途端に倒れて寝たきりなのさ」
「なるほど、それで必死だったんですね」
俺が納得いった。
「おい、お前! 我を舐めているのか? 土御門家がどうか知らんが、この我が貴様らと戦うのを恐れるというのか? 我はこれでも魔王の一柱であるぞ? 」
そう目玉が言った途端、屋敷から一斉に獣の咆哮と地震のような揺れが起こった。
「いえいえ、特例として慣習ですが、土御門家は亡くなったもの巫女に関しては、そのまま財産とか登録できるんですよ。それを利用して、土御門家がお金を出してお嬢様に土地を買い戻させます」
「はあああああああ? 」
目玉が驚いた。
「いや、でも、そのお金は? 」
「あの、お名前は? 」
「薫子です」
「では、うちの会社で働いて稼いでいただきましょう。それで返していただければ」
そう常務を見た。
「ええええ? 」
常務がドン引きしていた。
「大家さんに借りも返せる。祟られる事も無い。さらにこれだけ奇麗に屋敷を管理しているのです。人手が足りない我が社にピッタリじゃないですか」
「まあ! 」
暗い表情だった西洋人形に赤みがさす。
「いやいや、それは……」
「良い話じゃないかっ! 」
困惑した顔をした常務に大家のおばあさんがバンと肩を叩いた。
「あの。土御門家からも要請しますんで」
「事実上、命令になりますね」
俺がそうにっこり笑うと<おやっさん>の野崎君がとどめを刺した。
「あう……」
常務がその場で跪いた。
ふふふふ、これが上級国民の力だ。
「お前、無茶苦茶するな」
そう目玉さんが話しかけてきたが、それは威圧とは違う笑っている感じがした。




