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続き9

「で、ここが真行寺の御屋敷ですか? 」


 俺と<おやっさん>の野崎君がとてとてとベンツから降りた。


 確かに鬱蒼としたツタと植物が拡がっているが、風情は壊さないようにある程度の辺りで成長が止まってるように見える。


「こ、これ、電気あるんですか? 」


 常務が心配そうに聞いた。


「ほら」


 そうしたら、大家のおばあさんがドンと懐中電灯を三つ常務の手に置いた。


「ちょっと、こんな夜に入るなんて無茶ですよっ! 」


 ぞっとした顔で常務が騒ぐ。


「ぎゃあぎゃあ騒ぐな。あたしも行くんだから」


 そう言って懐中電灯をパッとつけた。


 懐中電灯の灯りがさらにその洋館を陰惨に見せた。


「わ……私も参ります」


 そう老齢の運転手がそう一緒についてきた。


「で、どうだね? 」


 そう大家のおばあさんが聞いてきた。


「いや、別に? 」


「そんなに怖くないですね」


 俺と<おやっさん>の野崎君が真顔で答えた。


「怖いじゃ無くて、妖気とか出てるのかい? 」


「いや、何も無いですけど」


「本当ですね」


 大家のおばあさんの念を押した話に俺達がにべもなくさらりと返答した。


「嘘だろ? 私はサブイボが止まらないんだが? 」


「奥様、私もです」


 常務の言葉に老齢の運転手が答える。


 袖をまくっている、手首の上にびっしりとサブイボが出てるのを見せた。


「何も無いですよ」


「そのとおりです」


「いやいや本当かい? あたしだって寒気が止まらないのにっ! 」


「「いや、人形だから寒気とか分からんです」」


 大家のおばあさんの言葉に俺と<おやっさん>の野崎君が同時に答えたら、皆がドン引きしている。


「いや、それは貴方達が、この国の根幹を揺らぐような怪物達とやり合ったから、その辺りの感覚が麻痺してるだけだと思いますけどね」


「ひぃぃぃぃぃぃっ! 」


「何だっ! 」


 ヤタガラスさんが俺の影から出て来たら、常務とかが悲鳴を上げた。


 大袈裟な。

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