続き7
「俺は別に壊したくで壊したんじゃ無いけど……」
「それは分かってます。でも、スイッチが入ると結構無茶苦茶しますよね? 」
「いやいや、君に言われるのは凄く心外なんだけど……」
「そうは言いますけど、大神さんとか土御門家から、今後は止めろと凄く言われましてね……」
「じゃあ、止めてくれ……」
俺が大家のおばあさんをちらと見て頼んだ。
「加茂君……ちょっとで良いんだ。見てくるだけだから……」
囁くような声で常務が話す。
「いや、本当にそれで良いんですよね」
「勿論だ。元々、そう言うのは気にしない人なんだ。ぶっちゃけ、建設会社とかを説得する為に見て欲しいと言ってるだけだから」
常務が必死に囁いてくる。
「何か起こっても知らないですよ? 」
<おやっさん>の野崎君がそう脅すように囁く。
「じゃあ、駄目だと思ったら駄目だししてくれよ」
「除霊をしろって言われたって無理ですが……」
「そこは、それ、適当に誤魔化してくれれば……」
「いや、無理でしょ」
「無理ですよ」
俺と<おやっさん>の野崎君が即答した。
「いや、それだとなぁ……」
常務が困惑した顔で話す。
「まあ、そこまで無理は言わないよ。ただ、本当にヤバいのかどうか知りたいだけなんだ」
そう大家のおばあさんが真顔で話した。
「なるほど、やばいなら、激安で買ったんだし、さらに知らない奴に少し利益乗せて売れば良いかっって事ですか? 」
「そりゃそうさ」
大家のおばあさんがそう苦笑した。
「何だ、結構現実的なんですね。それなら、外国人とかに騙して売れば良いんじゃないですかね? 」
「それも、良いかもねぇ」
<おやっさん>の野崎君の提案を悩まし気に大家のおばあさんが答えた。
なるほど、やはり、類は友を呼ぶでブラック企業に貸し出しているだけあって、ちゃんと着地点は見ているということだな。
俺の先輩のように、良い土地を見つけたと大喜びで飛びついて六千万で家を建てたら、隣の家が相当やばいヤクザさんの家で、家族が全員、そのヤバさから引っ越すのを拒否した為に、六千万の家は誰も住まずに倉庫になっていると言うような馬鹿な事はしないと言う事か。
流石だ。
俺の先輩の話が実話なのが、いとをかし。




