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続き5

「こはれこれは大家さん。相変わらず元気ですね」


 常務がそう揉み手した。


 何か、弱みでも握られているような雰囲気だな。


「いやいや、そうよ。往生してんのよ。安いってだけで孫があの真行寺の御屋敷を買っちゃって」


 そう、大家のおばあさんが笑った。


「え? 真行寺家の御屋敷ですか? 」


 いきなり、<おやっさん>の野崎君が驚く。


「あら、知ってんのかね? 」


「いやいや、あそこは戦前の男爵家の真行寺家の御屋敷なんだけど、最後の当主が魔道に嵌ったとかで有名なヤバい屋敷じゃないですか? 」


「魔道? <老公>みたいな? 」


「いや、<老公>はまつろわぬものので、こちらは西洋の魔道とか言う噂で、土御門家としても極力関わらないように言われてる奴ですよ? 」


 <おやっさん>の野崎君が慌てて叫ぶ。


「え? 」

 

 常務の顔が歪んだ。


「いや、そんな大げさな。天下の土御門家がそんな事を」


 そう大家のおばあさんは手をひらひらさせながら笑った。


 ああ、天下と来たか。


 大体、こうやって持ち上げといて仕事を依頼するのって碌な話じゃないんだよね。


 そう、俺が常務を見たら、常務が必死に手を合わせていた。


「いやいや、笑えませんって。だって、最悪時、こないだみたいな大規模戦闘になりますよ? 」


 そう<おやっさん>の野崎君が叫んだ。


 そう言った途端、オフィスが震える様な雰囲気が流れた。


「いやいや、入ってみたけど、特に何も無かったよ? 建設業者が騒ぐからさぁ。ちらっと見るだけで良いんだよ」

 

 大家のおばあさんは必死だ。


「ど、どうしたら? 」


「土御門家に正式に頼んだ方が良いんじゃないですかね? 」


「だそうですが? 」


 俺がそう<おやっさん>の野崎君に聞いたままを話すとおばあさんの顔がピキッとした。

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