続き14
「いや、時代も変わるべきでしょう」
俺がそう話す。
「ど、どういうことだ? 陰陽師と鬼とは敵同士だったはず」
「貴方方が封印された時は国内だけ見てれば良かったけれども、今は外国がありますから。これからはこの国だけでの争いよりも世界を見るべきかと」
<大拙>さんの驚きに俺が淡々と話す。
「え? 罠じゃ無いの? まつろわぬものは、その話を持ち掛けられた時点で内部が疑心暗鬼に捕らわれて、皆が疑い合っている状況なのに」
そう<角錐>さんが驚いている。
「いや、わざわざ貴方達がリスクを持って持ってきた話ですよ。そんな適当に出来るわけ無いじゃないですか」
「いや、お前が勝手に言ってる事じゃ無いか! 俺はそんなつもりで会っていないぞ? 」
「いや、わざわざ会いに来ておいてそれは無いでしょう。そもそも、私は別に陰陽師でも無いわけですし。単なる三鈴さんの冥婚の婿ですし」
「いや、どうしようか……」
そう、鬼の<三日月>さんが頭を抱えた。
「話がかみ合いませんね」
そう<角錐>さんも呻く。
「とにかくだな、我々としてはそんな事を持ち掛けてはいないんだ」
「いや、もう、話は前向きで進んでいますが」
「ああああああああああああああああああああ! どう言えば良いんだ、これ? 」
「どうしょうも仕方ないですね」
「殺すか? 」
鬼の<三日月>さんが<角錐>さんに吐き捨てた。
「人形だから死ねません」
俺がさらりと言う。
「これだ……。む……」
そう鬼の<三日月>さんが呻く。
強大な力が鬼の隠れ家に集まりつつある。
一つは三鈴さんだ。
「おやおや、お歴々も集まりだ」
<おやっさん>の野崎君がそう笑った。
代々の冥婚した巫女達……つまり、先代先々代の代々の巫女霊達が集まりつつあった。
凄まじい力を威圧のように見せていた。
「流石にこれと我々が戦うとなると、酷い被害が出ますぞ」
そう<大拙>さんが唸る。
「くっ、しかし、土御門家の巫女霊にこれだけ揃われると、約定したように他の妖達に受け取られるかもしれませんな」
「ええええええええ? 」
<角錐>の言葉に<三日月>さんが呻いた。
鬼の<三日月>さんが進退窮まった顔をして俯いた。




