続き5
「三鈴を守る為に奮戦する冥婚した男と聞いて、興味が出たのだが……。ここまで訳が分かんない男だとは思わなかった」
鬼の<三日月>さんがそう困惑して答えた。
「いえいえ、良いですか? <そ〇名は101>はあの永〇豪大先生の<デビ〇マン>のような非情さがあるんですよ。<マ〇ズ>でもあった、あの人間に対する悲しみみたいなですね……。私はそういう古いけど深い作品が好きでして……」
「いや、誰も聞いてない」
「そうですか……」
鬼の<三日月>さんに説明を始めたら、にべも無く打ち切られたので俺が悲しく俯いた。
「いやいや、そういうまつろわぬものや虐げられたもの作品が好きな訳ですよ。加茂さんの話を説明して言いますと」
<おやっさん>の野崎君がそうフォローして来た。
「ふむ。そう言う事が言いたかったのか」
鬼の<三日月>さんがそれに理解を示してくれた。
「そうなんです。良く考えれば、我々は上級国民に搾取され続けてきたブラック社畜な訳です。下級国民はいつだって虐げられているわけです。そう考えれば、本来は私も同じまつろわぬものの虐げられてきたもののはず」
「その通りですね。所詮は下級国民ですから」
俺と<おやっさん>の野崎君が熱く語った。
「また、訳の分からない話をしだしたな……」
「いや、いつもの事なんで……」
「これが<呼ぶもの>って、こう、何と言うか、世界はチャレンジャーだな。こんなのが選ばれたらいかんだろうに……」
しみじみと鬼の<三日月>さんがヤタガラスさんに答えた。




