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続き11

「お前っ! 嫌がらせかっ! 」


 高木先輩が真っ青な顔で叫ぶ。


「いやいや、後輩が訪ねて来てるのに、ドアを開けない方が駄目でしょう」


「仕事外で会いたくないんだよっ! 」


 俺の言葉に高木先輩が叫ぶ。


「だから、その誤解を解きに来ました」


 俺がにっこり笑って、パカッと口を開けた。


「誤解じゃ無いじゃんっ! ここで騒がれたって俺は転勤までは自費で引っ越さないといけないんだ! 何でこういう事するんだ? 嫌がらせだろ? 嫌がらせだよな! 嫌がらせしか考えれねぇんだけど! 」


 捲し立てるように高木先輩が怒鳴り散らす。


 やはりな。


 下手に騒がれて、ここに住めなくなって出ていくことになるかもしれないのが弱みだったか。


 俺がやはりなと言う感じで<おやっさん>の野崎君を見たら、当たりですねって感じでピッと親指を立てて答えてきた。


「そう言うとこだよっ! お前、まだ前は大人しかったろ? 上級国民になったからって調子に乗ってんのかっ! 」


「いや、それほどでも……」


 俺が高木先輩に言われて、照れくさくて笑った……カパッと口を開けたのは言うまでもなく。


「褒めて無いからっ! 断じて褒めて無いからっ! 」


 半狂乱になって高木先輩が叫んだ。


「ふふふふ、ちはやふる神代の国の上級の なってみて分かる無敵なるかな……ですよ」


「いや、苛つくわぁぁぁ! 」


 俺が一句あげると高木先輩が叫んだ。


「何しろ、逮捕もされませんし」


「上級以前に、呪いの人形なんて逮捕できませんよ」


 俺の嬉しさを隠しきれない言葉を、<おやっさん>の野崎君が冷やかに突っ込んだ。


「まあ……警察が来ても死んだふりするもんね」


「んがぁぁぁぁぁぁ! 」


 俺がそう答えたら、高木先輩が憤りのあまり震えて痙攣している。


 まるで踊っているようだ。


「これがモノノケダンスか」


「電気グルーヴの話は良いわっ! 」


 <おやっさん>の野崎君の突っ込みに高木先輩が絶妙な突っ込みをした。


 何故か、俺の胸がキュンとした。


 


 



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