続き7
家に電話して三鈴さんに高木先輩の誤解を解きに会いに行きたいのだけどと聞いたら、行ってらっしゃいって言われたので、高木先輩のアパートに行く事にした。
俺達は高木先輩のアパートにひたひたと迫る。
飼い犬が俺達を見て悲鳴を上げて小屋に逃げた。
やはり、何らかの妖気が俺達から出ているのだろうか。
まあ、壁の上を歩きながら高木さんのアパートに向かっているので、犬からしたら怪しいのかもしれないが。
「しかし、冷えたビールを持って行くんですね」
<おやっさん>の野崎君が驚いて聞いてきた。
「まさか、店員さんが悲鳴をあげるとは思わなかったが、酒は必須だろ。ほら、言うじゃ無いか酒を飲んで話し合えばわかり合えると」
「そんな話ありましたっけ? 」
そう話しながら、懐かしい昔数回行ったことがある二階建ての軽骨鉄筋の二階建ての二階の高木さんのアパートについた。
目立つとまずいので、壁を伝って二階へ行く。
高木さんのアパートの電気がついている部屋の窓をコンコンと叩いた。
人の気配はするのだが……。
「おかしいですね。返事がありませんが……」
「窓だから仕方ないかもしれない。しょうがないな」
俺が柚原さんがこぼしてた血が気になって、土御門家で調べて貰おうと小瓶に入れてたのだが、それで窓に字を書いた。
<高木さん、高木さん、加茂です>
「おお、趣がある感じで血が垂れているせいで、こう……いとをかしですな」
「いとをかしとは良い事言うなぁ」
俺と<おやっさん>の野崎君が話し合っていると中でガタガタと音がして悲鳴が聞こえたが、誰もこちらに誰何の声を上げなかった。
寝たふりでもしているのだろうか。
困ったもんである。
ここは酒を飲んで徹底的に話し合わねば。




