続き3
「大丈夫ですか? 」
そう救急隊員が事務所の玄関を開けて入って来た。
「あ、こちらです」
入口の社員がそう誘導した。
で、俺を見た救急隊員が絶句した。
「ああ、本当に市松人形になったんだ」
「おや、貴方は何度か会った人ですね。永田さんでしたっけ? 」
そう、大神さんが人を斬った時も、ホテルが崩れた時もこの永田さんが救急隊員で来たのだ。
「いやいや、それで生きてるの? マジで? 」
そう永田さんが苦笑した。
「ああ、身体は別の場所で封印してるそうです。一応、魂は元気で済んで」
「参るよなぁ。その手の話はこっちは分かんないから」
永田さんが笑いながら、気さくに話しかけてくる。
どうも、土御門家の縁のある人らしくて、こういう不思議な事にも免疫があるようだ。
「あれ? 永田先輩。この人ですよね。あの蛇の化け物とか牛鬼とかを倒したりして大活躍したって人」
そうもう一人の救急隊員が驚いて聞いてきた。
「ああ、それ一応、政府の極秘事項だぞ」
そう苦笑して気さくに永田さんが笑った。
それのせいでか、社内にさらに信じられないとか言う気配が流れる。
皆がドン引きしてる。
困ったもんである。
「とりあえず、社長の方は脈とかは大丈夫そうだが、病院で休ませれば大丈夫だとは思う。どうせ、婿殿を見て気絶したんだろ」
永田さんが楽しそうに笑った。
「まあ、そんな感じです」
俺もカパッと口を開けて笑った。
後輩の救急隊員はちょっとびくっとしてたが、永田さんは笑ってた。




