4部 終わり
「これで彼等も暫くは出て来れないと思う」
そう三鈴さんが意識下の中で俺に微笑んだ。
魂と魂での話なだけによりリアルな三鈴さんの姿が見えた。
「美しい」
俺が素直に呟く。
何しろ、月から降臨した女神の様に淡く光って、美しい腰まである髪の躍動がイキイキとして見える。
人気のアイドルすら霞む美しさだ。
まるで、神の造形だ。
美の女神のようだ。
三鈴さんが真っ赤になって伏せた。
「いや、魂が繋がってるから、思った事はそのまま相手に伝わると言うに」
祖母が困った顔で呟いた。
「でも、本当に綺麗なんだもの」
三鈴さんがさらに真っ赤になった。
「あーあー、全く。惚気るのは良いが、土御門家が厳しいのは確かだぞ。今の首相はそう言うのを信じない上に嫌っておるからな。今回のガタガタがお前と三鈴さんが関わってとは知らんが、抑えれなかったので、この際,そう言う役職を無くす方向に持っていこうとしているからな」
そう祖母が話すと、三鈴さんが暗い顔になった。
「良し、俺が説得に言ってみよう。どんな人でも真心を通して話せば分かってくれるはず」
「義則さん……」
「やっと名前で呼んでくれたね。任せてくれ」
俺がそう言うとさらに真っ赤になってモジモジする三鈴さんを置いて東京へ向かった。
「ちょっと待てぇぇ! 」
祖母が止めようとしたが、それを無視した。
全力で首相官邸に向かった。
「いや、首相って呪術とか霊とか信じないだけで無くて、ああいうのが駄目なはずなんですが! 」
大神さんも叫んだが無視した。
流石に巨大化したまま首相官邸は無理なので、途中で分離して市松人形で向かった。
俺は必死にお願いした。
首相は意味不明な言葉をあげてSP達と逃げまくっていたが必死に追いかけて土下座をし続けた。
入ってくる途中で、警備の人を倒した時に被った血と髪が振り乱していたが必死さが分かって良いと思ったから、俺はそのまま首相を追いかけ続けた。
結果として、首相は何故か悲鳴をあげて泡を吹いて痙攣して意識不明の重体になり、その後に政変が起こり土御門家に関係が深い人が新しい首相になった。
俺の真心が天に通じたのだと思う。
やはり、最後に愛は勝つのだ。
古いけど。
二部は明日から投稿します。
宜しくお願いします。




