続き12
「早く逃げて! 三鈴さんの戦いの邪魔になる! 」
そう大神さんが騒ぐ。
「いや、三鈴さんを助けたいと思ってるんだけど」
俺がそうきっぱり話す。
「いやいや、身体を奪われて、そんな人形に封じられてるんでしょう? もう、その時点で足手まといなんですよ! 貴方の身体は、土御門の特務が動いて奪還に行ってます。その魂が無いのでは話にならない! 」
「いや、夫として三鈴さんを……」
「あんた素人が何を言ってんだ! 特にこれほどの大事になってるのに! 支えるどころかあんたが邪魔になってんだ! 」
「ええ? 」
俺がいつもの大神さんと違う怒り方で驚いた。
「土御門家も今回の件で大問題になってるんじゃ」
そう祖母が背後から話して来た。
「ええ? 俺の弁償は? 」
中西君が別の事で衝撃を受けていた。
「いやいや、待ってください! 加茂さんは必死で! 」
「お前もだ! 状況によっては霊界に送るからな! 」
大神さんが<おやっさん>の野崎君に怒鳴った。
何と言う事だ。
「本当に政界から三鈴さんだけでなく土御門家の今回の事が大問題になっているんじゃ」
そう祖母が俺達を諭すように話す。
「いや、しかし……」
「今の会社とかで所詮、世の中は結果だと習っただろう? 」
そう祖母が冷やかに話した。
流石に俺もそう言われると反論できなかった。
流石に無茶をし過ぎたのかと黙る。
「とにかく、引け。ここはまずい」
祖母がそう即した。




