続き8
「たとえ、そうだとしても、三鈴さんを一人で戦わせるのは駄目だと思う。俺は夫になるんだから」
俺がそうきっぱりと話す。
「いや、現実を見ましょう。もし、貴方に何かあれば、私は魂を破壊されて、あの世に送られてしまうんですよ。それを考えたら、とてもお勧めできない」
<おやっさん>の野崎君がそう話す。
「いや、さっきから、お前の事情ばっかりじゃん」
「当り前じゃないですか」
<おやっさん>の野崎君がきっぱりと断言した。
「ううむ。ここまでそういうのを貫かれるとそれはそれで素晴らしいな。俺も自分を貫こうと思う」
俺がそうにっこりと笑った。
「いや、聞いてました? 貴方じゃ無くて、私の魂が危ないんですよ? 」
<おやっさん>の野崎君が動揺していた。
何という清清しいくらいの本音。
「いや、まあ、無駄死にだと思うけどね。野崎の言う事は別にして」
「いや、まだ少しだけど、光明真言の土砂加持の砂が残っているし」
「それが効くような相手には見えないけど」
中西君が向こうの怪獣大戦争を見て、そう呟いた。
「無意味だと思いますよ」
ヤタガラスさんまで冷静な分析だ。
「でも、きっと。実は中西君が何か俺に必殺の兵器とか隠しているとか……」
「無いです」
中西君は身も蓋も無かった。
「いや、砂をばら撒くだけとか」
「それくらいしか無いし」
「なんてこった中西君! 自爆装置とかそれくらいあるんじゃないのかね? 」
「自爆したって意味無いし」
中西君の淡々とした返答が重い。
あれれれ?
思ってたのと違う。
向こうでの怪獣大戦争を見ながら、俺が途方に暮れた。




