続き7
「何とか、近くで降ろしてくれないか? 」
俺が中西君にそう頼む。
「いや、止めた方が良いですよ。無茶です」
<おやっさん>の野崎君がそう話す。
「しかし、三鈴さんが戦ってるのに」
「いや、あの人は千年に一度出るかで無いかの怪物ですし」
「いや、戦う市松人形は今まで無かったと思うのだけど」
「いやいや。それはすでに話の方向性が違う」
中西君が暗転しながら、そう突っ込んできた。
「全く戦う武器が無いですよ」
<おやっさん>の野崎君がそう否定した。
「とりあえず、ここから離れましょう。相手がでかすぎる」
中西君がそう話す。
「いや、待ってくれ。それなら俺だけでも」
「本当に駄目です。無茶です。加茂さんに何かあったら、俺が三鈴さんに霊として存在できなくされてしまう」
そう俺が出ようとしたら、<おやっさん>の野崎君に止められた。
「いや、すでに市松人形だが」
俺がそう反論したらスルーされた。
「いや、俺はすでに巻き込まれて無茶苦茶になってんだけど」
もう一度、俺がそう<おやっさん>の野崎君に話す。
「とりあえず、あのでかいのがいる場所は裂けましょう」
「いや、何で無視するの? すでに巻き込まれてんだけど? 」
<おやっさん>の野崎君がスルーするので俺が必死に突っ込んだ。
「ふぅ。仕方ありませんね。正直に言いましょう。ここまでは面白くて笑える展開だから良かったのですが、今、この段階で加茂さんがさらにあんなでかいのと戦って何かあれば私の魂が危険なのです。三鈴さんは霊を破壊して、あの世に送れますからね」
そうきっぱりと<おやっさん>の野崎君が厳しい表情で答えた。
「え? 面白がってたの? 」
「自分の身の安全しか考えてねぇじゃん」
俺と中西君が同時に突っ込んだ。




