続き1
軽自動車で走り出すと、すでに道路の方はこないだの地震であちこちがガタガタだった。
日本は地震の後で道路を直すの早いんで、とはいえ走れるレベルだった。
カタカタカタカタカタカタと言う音ともに這いつくばった操り人形が向かってくる。
「国道とか大きな道路はもう直ってるんじゃないか? 」
「それでスビードあげて逃げた方が良いですね」
「いや、簡単に言うなよ」
俺と<おやっさん>の野崎君が中西君に突っ込むと反論された。
「しかし、追っかけてきますよ? 」
<おやっさん>の野崎君が振り返ったので俺も見て見たら異様だ。
他の走ってる自動車もびびって道を開けている。
「どこへ逃げたら良いんだ? 」
「土御門家に行くしか無いですね」
「いや、それは俺が困る。まだ大したことして無いし、改造したのも使い切っちゃったし。三鈴さんに会わす顔が無い」
「いや、<三本首>って結構な妖なんで十分じゃないですか? 」
俺の言葉に<おやっさん>の野崎君が突っ込んできた。
横でヤタガラスさんが頷いている。
「いや、いまさら改造する場所も金も無いし。一旦避難したいから土御門家が良いんだけど」
中西君が運転しながら必死だ。
皆がノロノロ走ってるので警笛を鳴らして急いだ。
それが悪かった。
変な若造がカスタムした自動車で喧嘩売って来た。
「うるせぇんだよ! 」
窓を開けて叫ぶ。
ギリギリまで幅寄せも繰り返す。
「あーあー、こんな時に」
中西君が動揺しているので仕方なく俺が窓を開けた。
「いや、悪気はないんです」
そう、明けた窓で俺が頭を下げると何かあったのか、若造さんは悲鳴を上げてスピードを上げて前の車に衝突した。
「お、ラッキーですね」
<おやっさん>の野崎君が喜んだように、それで連続衝突して上手く軽自動車の後方の道が塞がれた。
中西君もパニックになってスピードを上げたのもすり抜けられた結果になった。
「こういう時の幸運とか、普段から陰徳を積んでおくべきだな」
後方が衝突した自動車で塞がれたので俺が朗らかに喜んだ。




