13.手紙
「第二王子様が亡くなったって」
「隣国では聖騎士様が聖剣を悪魔に奪われたとか」
「なんてこと。凶事が重なるなんて・・・」
城のあちらこちらで、みんなが噂話に没頭している。仕方あるまい。それほどの事態なのだ。誰も仕事が手に着くまい。
「ああ、アリッサ。ピオニア様のご様子は?」
「・・・ショックを受けてらっしゃるようです」
「そうよね。聖剣のない聖騎士様なんて・・・婚約は無くなるかもしれないわね。あんなに仲が宜しかったのに」
はい。婚約が無くなるかもしれないと、とても喜んでおいでです。
「アリッサ。噂の様子はどう?」
「凶事が重なったと、皆、狼狽えております」
「そうよね。ヒドイことだわ」
立ち上がり、窓辺へと向かうピオニア様。
「アリッサ、メリッサ。私が恐ろしい?」
「「いいえ。ピオニア様」」
「シャルルの為なら、なんでもするわ。なんでもね・・・」
振り返って微笑まれたピオニア様は、壮絶に美しかった。
「ピオニア様、お話があります」
「どうしたの?アリッサ」
「実は、実家から手紙が参りまして・・・」
内容を要約すると『行儀見習いになって2年ほど経ったが、良い相手は見つかったか?見つからないのなら、悪魔の被害も物騒だし、田舎に帰っておいで』ということだった。
「まあ、アリッサが居なくなってしまうのは困るわ」
「ピオニア様・・・」
「でも、すぐに会えるから問題ないわね」
魔法の扉を使えばすぐという事だろうか?
「はい。そうですね」
「シャルルには私から話しておくから」
「はい?かしこまりました」
総帥に話しておくという事だろうか・・・。メリッサが苦笑しているのが気になるが、理由は教えてくれなかった。
惜しんでくれる人も多々居たが、私は実家に帰ることになった。
実家に帰って1カ月、平和に過ごしていた私は父親の書斎に呼び出された。
「なんですか?お父様」
「アリッサ。どうして1カ月も大事なことを黙っていたんだい?」
「何のことですか?」
本当に訳が分からなかった。
「手紙が来た」
「はあ、どなたから?」
「城からだ」
「ご友人からですか?」
「違う。シャルル様とピオニア様からだ!!アリッサ、お前、側室に上がるのかい!?」
「・・・はい?」
思わす父の手から手紙をひったくってしまった。
「『運命的な再会を果たし・・・是非とも側室』・・・側室!?」
「この手紙は本当なのか?」
「はい。いいえ?はい」
「どっちなんだい!?」
私も父も大混乱していた。ピオニア様、どういう事ですか!!!
「だから言ったでしょ?シャルルの為なら何でもするって」
最後までお読みいただきありがとうございました。色々と伏線を用意していたのですが、活かしきれず・・・。拙い話をお読み下さった事に感謝を!!




