瑕疵物件(9)
トキタは2階の祈る部屋につれて行かれ、祭壇の前に叩き下ろされました。そして大男にサンドバッグかのように何度も暴行を加えられて動けなくなります。
[大家]
「猿見君、もういいよ。もう逃げることはできないだろうし。あれの準備しといて。」
大家のからの一言で猿見という大男は一旦部屋から出て行きました。
[大家]
「トキタさんに確認したいことがあるんだけど、どうして生身の人間の供物を辞めようって言ったのか教えてくれる?」
いつもの優しそうな表情ではあるが目が全く優しそうに見えない。
[トキタ]
「なぜ信者であり、仲間である私たちの中から供物となるために犠牲を出さなければいけないのですか!供物のために人を殺して神に捧げるのは間違っている!」
[爺さん(カワタ)]
「おい!トキタ、それは神に対する冒涜か!そもそも貴様は教えを…」
[大家]
「カワタさん落ち着いてください。トキタさん私たちの教えは自らの罪を正直に認め、神に対して懺悔の祈りを捧げることが義務(祈りの回数は罪の大きさで変わるがその大きさは個人の裁量で構わない)。罪は心の汚れであり、それを認めることが浄化への第一歩になる。祈り重ねた魂は、生前の罪が洗い流されているため、死後は清らかな魂として次の世界に進むことができ、死後の世界においても安らぎと幸福を享受できる。祈りを重ねることで、最終的には輪廻から解放され、永遠の平和に至る。罪を水に流すには5年に1度、【浄化の周期】の期間に供物を捧げ特別な祈りをする。捧げた供物は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。」
(以下略)
「供物に必要なのは罪を持っている人間の首と手に限る。ただの物や罪を持ってない一般人を供物にしようとしても意味がないから罪を持っている私たちの中から供物を捧げるしかない。むしろ自身の罪を流すためには必要な犠牲なんだよ。」
「そういえば前回の供物さ、儀式の前に逃げようとしてたけど、逃がそうとしたのトキタさんだよね。何となく前から怪しいなとは思ってたんだけど昨日あの発言で確信に変わったよ。
だから今回の供物は裏切り者のトキタさんになるからよろしくね。」
大家が話し終わると同時に猿見が大きなノコギリと何か台のようなものを持ってきていた。
[大家]
「猿見君ありがとう。じゃあ手の拘束だけ解いてトキタさんを抑えてもらえる?」
トキタの手の拘束が解かれると同時に台に腕を乗せられ動けないように抑えられた。
そして大家がノコギリを持ってトキタの手首に刃を当て勢いよく刃を引き、トキタの悲鳴で記憶は途絶えて最後にトキタの声だけが聞こえました。
[トキタ]
「自身の罪を流すために同志を殺すなんて間違っている!それならいっそこんな宗教潰れればよい!…」
Mはトキタの思いに共感をしました。
そうして夢から覚めて携帯をみるとバイト先の店長とSの知人からの大量の不在着信、時間は19時。
(マズイ!バイトすっぽかしてる!)
Mはすぐにバイトに向かい、店長にとにかく謝罪をしました。
バイトが終わり、Sの知人に昨夜からの出来事を伝えました。
[知人]
「きっとトキタさんはそういったことがあり、地縛霊となってここに留まっているのですね。しかし、トキタさんの思いを汲んで行動するかはMさん次第です。
私は逃げるのはサポートしますが、あの宗教のことに関わるのは御免です。とりあえず逃げる手配が整ってきたのでお伝えします。今日から2日後の深夜3時に夜逃げをします。当日、私の知り合いの軽トラックで迎えにきますが私はいませんので私の知り合いとMさんの2人でで荷物を運び出してください。そうしてしばらくは私の知り合いの家に住んでもらう感じになります。住む場所が学校から遠くなるので急で申し訳ないなのですが今バイトしているところは辞めてください。知り合いにMさんの事はある程度伝えてあるので大丈夫かと思います。ではお願いします。」
そこで電話は終了して、最後の準備に取り掛かりました。




