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「僕と世界と推しと」  作者: - 晩26 -
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第9話 - 初めてのガチ恋

光也は、いつものようにLunaの配信を見ていた。その日は特別なテーマがなかったが、Lunaが視聴者と軽く雑談を楽しんでいる姿は、どこか親密な雰囲気を醸し出していた。


「みんな、最近はどう? 寒くなってきたけど体調は大丈夫?」

画面越しに語りかけるLunaの声は柔らかく、温かみがあった。


「優しすぎるだろ……。」

光也は思わず心の中で呟いた。彼女がどれだけの人に向けてこの言葉を投げかけているかはわかっていた。それでも、その一言が自分だけに届いているように錯覚してしまう。


コメント欄は相変わらず高速で流れている。光也は「体調に気をつけてね」と送ったが、やはりLunaの目には留まらなかった。それでも、彼はスマートフォンを手に握りしめて彼女の声に耳を傾け続けた。


その日の配信の終盤、Lunaが少し恥ずかしそうに微笑みながら言った。

「みんなのおかげで毎日すごく幸せだよ。本当にありがとう!」


その瞬間、光也の胸が熱くなった。これまでLunaを応援する気持ちは「好きなVtuber」としてのものだった。だが、その感情が友情を超え、別の何かに変わり始めていることに気づいた。


「俺、Lunaのこと……本当に好きなんだな。」

光也は目を閉じて深呼吸をした。画面の向こうの彼女は手の届かない存在であり、それを理解しているはずだった。それでも、この気持ちは止められなかった。


配信が終わった後、光也はSNSを開いてLunaの最新投稿を何度も読み返した。そして、ふと自分がLunaの笑顔をスマートフォンの壁紙に設定していることに気づいた。心のどこかで、彼女を特別視していることを自覚していた。


「この気持ちは間違いなのか……。」

自問自答する中で、光也はLunaのことを考え続けた。彼女の声や仕草、笑顔。それらすべてが自分の心を占めていく。


その夜、彼はLunaの過去の配信を遡りながら、画面の前で一人微笑んでいた。彼女の言葉一つ一つが、まるで恋人同士の会話のように響く。光也は初めて、自分が抱える「ガチ恋」という感情を正面から受け入れることを決めた。


「これが推し活の醍醐味なのかな……それとも俺だけが特別な気持ちを抱いてるのか。」

彼はそう呟きながら、深い眠りについた。

Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。

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