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「僕と世界と推しと」  作者: - 晩26 -
88/100

第88話:裁きの行方(後編)

毎日2回更新

 夕真は歯を食いしばり、Echoの問いかけを無視しようとした。しかし、画面越しに見つめるその視線が、彼の心を縛りつける。


 「罰は誰が決めるの?」


 Echoの声は静かで、しかし確実に夕真の意識に入り込んでくる。


 「……決まってるだろ。俺たちを傷つけたやつらは、報いを受けるべきだ。」


 夕真は低く呟いた。


 「それを決めるのは君なの?」


 言葉に詰まる。自分の怒りが正しいと信じていた。Lunaを追い詰めた連中が許されるはずがない。だから、自分が動くことが正義だと思っていた。


 だが——


 「君はLunaのためにやっているつもりでも、それは本当に彼女が望んだこと?」


 Echoの問いが、夕真の心を鋭くえぐる。


 「俺は……」


 何かを言いかけたが、喉が詰まった。


 怒りと復讐の念だけで突き進んできた。でも、それは本当に正義なのか。


 ——ただの復讐者になっているんじゃないのか?


 夕真は拳を握りしめ、震える息を吐いた。


 「……今さら引き返せない。」


 しかし、その言葉の裏にある不安を、彼自身が気づき始めていた。

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