第74話:孤立する光也
毎日2回更新
Lunaの活動自粛のニュースが広まると、界隈の混乱はさらに激しさを増した。ファン同士の争いは激化し、SNSにはLunaを責める声、擁護する声、そしてVtuber文化そのものを否定する声が入り乱れていた。
光也はこの状況に黙っていられなかった。
「Vtuber文化を守りたい。Lunaを追い詰めたのは俺たち自身なんじゃないのか?」
彼はSNSにそう投稿した。心からの想いだった。Lunaが活動を自粛しなければならないほど界隈が荒れたことに、どうしても納得がいかなかった。
しかし、その言葉は即座に炎上した。
「お前のせいでLunaが消えたんだろ」
「偉そうに説教してんじゃねえよ」
「お前みたいなやつが一番ムカつく」
光也のタイムラインは罵倒の言葉で埋め尽くされた。彼はただ、Vtuber文化を守りたいと願っただけだった。しかし、今の界隈に冷静な議論の場はなかった。
未来は、そんな光也を気にかけていた。
「光也くん、大丈夫……?」
心配そうにメッセージを送るが、光也はすぐには返信できなかった。何を言っても燃え広がるこの状況で、未来を巻き込みたくなかった。
「……大丈夫。」
短く返信したものの、その言葉は自分に向けたものだったのかもしれない。
光也は次第に、界隈のあらゆる場所で孤立していった。Vtuber文化を守りたいという意志は、多くのLuna推しにとっては「Lunaを見捨てた言葉」にしか聞こえなかった。
どこにも、自分の言葉を聞いてくれる人はいないのか。
光也はスマホの画面を閉じ、ふと窓の外を見つめた。
夜の街は静かで、SNSの喧騒とはまるで別の世界のようだった。
——どうすればよかったんだろう。
答えの出ない問いが、胸の中でぐるぐると渦を巻いていた。
Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。
最新話はこちらをフォロー
https://x.com/bank26nt




