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「僕と世界と推しと」  作者: - 晩26 -
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第41話 - 静かな推し活

毎日2回更新

藤川愛瑠は、いつも同じ時間に同じ帰り道を歩いていた。授業が終わると、友達と話すこともなく、まっすぐアパートへ帰る。その道すがら、彼女の頭の中にはただ一つのことが浮かんでいた。


「今日はLunaの配信、何時からだったかな……」


部屋に戻ると、愛瑠はそそくさと鞄を置き、自分の小さなコレクションスペースへと向かう。そこにはLunaのグッズがびっしりと並んでいた。アクリルスタンド、缶バッジ、クリアファイル、そしてイベント限定のポスター。どれも愛瑠が時間をかけて集めてきた宝物だった。


「これだけ揃ってると、少しは誇れるかな……」


控えめな声でそう呟いたものの、愛瑠の表情には自信というより、ほんのわずかな安堵が浮かんでいるだけだった。彼女にとって、Lunaの存在はただの「推し」以上のものだった。明るく元気で、どんなときでも笑顔を見せるLunaの姿は、愛瑠が日常で失っていた何かを埋めるかのようだった。


スマートフォンを手に取り、Lunaの配信ページを開く。配信の時間までまだ少し余裕があると知ると、愛瑠はお気に入りの配信アーカイブを再生し始めた。


「みんな、今日も応援ありがとう!あなたたちがいるから、私は頑張れるよ!」


画面の中でLunaが笑顔で語りかける。その言葉に、愛瑠は知らず知らずのうちに微笑み返していた。リアルの世界では誰にも言えないけれど、この瞬間だけはLunaと心がつながっていると信じることができた。


「私も……少しは誰かの役に立てるのかな」


そんなことを思いながら、愛瑠はLunaの配信が始まる時間を待ち続けた。彼女にとって、この時間こそが、誰にも奪えない唯一の居場所だった。

Xにも同時投稿中。X版はイメージ画像付き。

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https://x.com/bank26nt

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