第19話 - 推しとの距離感
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光也はパソコンの前に座り、Lunaの最新配信を開いた。いつものように彼女の明るい声が部屋に響き渡る。しかし、その声を聞きながら、光也の心には微かな違和感があった。
コメント欄はいつも以上に活気づいていた。「Luna、今日も可愛い!」「新曲最高!」といったコメントが次々と流れ、画面は止まる暇がない。光也も慌てて「今日の配信も楽しみにしてたよ!」と入力したが、送信ボタンを押した瞬間にはすでに埋もれていた。
「……拾われないよな。」
呟きながら、光也は自分のコメントをスクロールして探そうとするが、その作業にも虚しさを感じた。以前はLunaがコメントを拾い、名前を呼ばれるだけで胸が高鳴った。しかし、今はその瞬間すら届かないほど、Lunaとの距離が広がっているように感じられた。
画面の向こうでLunaは変わらない笑顔を振りまいていた。新しいファンが次々と加わり、彼女の世界はますます大きくなっていく。それを見て光也は誇らしさを覚える反面、深い孤独感に苛まれた。
「俺は、ただの一人なんだ。」
その言葉が胸に刺さる。Lunaの配信を見ながらも、光也の視線は次第に机の上のアクリルスタンドに移った。静かに微笑むLunaの姿が、何よりも愛おしいと同時に遠く感じられる。
配信が終わった後、光也はSNSを開いた。Lunaのライブを振り返る投稿や感想が溢れていた。彼はその中に埋もれる自分を感じ、無意識にスマートフォンを置いた。
「Lunaはどこまでも遠くに行くんだな……。」
その囁きは誰に届くこともなく、部屋の静寂に溶け込んだ。光也はLunaを応援し続けたいと思いながらも、自分との間にできた壁の厚さを痛感する夜だった。
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