夏季限定「冷やしたぬきうどん」と、うどん店の夏の新メニュー
愛満達の住む朝倉町も日に日に気温が上がっていき、蒸し暑くなる今日この頃。
その日の万次郎茶屋には朝倉町で『うどん店』を営む。狸族の花笑と和花の2人が、友達でもある愛満の元へと遊びに来ていた。
◇◇◇◇◇
「はい、『サイダー』と『冷やしみたらし団子』だよ。
サイダーは一気に飲むとむせるかもしれないから気をつけてね。
山背~!山背もコッチにおいでよ。
山背の分のサイダーとみたらし団子も持って来たからコッチに来て一緒に一休みしょうよ。」
愛之助達が友達の夜花宅に勉強兼遊びに出かけているなか。
万次郎茶屋で愛満と一緒に店番してくれている山背を呼び。
山背を含め。愛満は花笑と和花の2人にお茶菓子等を振る舞いながらおもてなしすると
「うわ~!冷たーて美味しいわ~♪」
「ホンマに美味しいわねぇ、花笑。
それに『サイダー』ちゅう飲み物を初めて飲んだんやけど、シュワシュワしとうて甘く、スッキリしたのど越しで、ビックリすると共に本当に美味しくて良いわなぁ~♪」
「ホンマやねぇ~♪……ゴクゴク……ゴクゴク……ぷはぁ~~~!!う~ん、ホンマに美味しいわ~♪」
「ホンマやホンマや!
あっ、愛満悪いけんど、このサイダーちゅう飲み物のお代わりお願いできんやろか?」
花笑達の生まれ育った村の独特のイントネーションになる。方言バリバリの言葉で、初めて飲む『サイダー』を大変気に入った様子で話し。
そんな2人の様子を微笑ましそうに見ていた愛満へと『サイダー』のお代わりをお願いする。
一方、愛満に呼ばれ。3人が座るテーブル席へとやって来た。
花笑と和花の真ん中の席に割り込んで座っている。ちゃっかり者の山背が
「ホォ~~~!この『冷やしみたらし団子』は旨いのう~♪
いつも食べとる串に刺さった『みたらし団子』も十分旨いのじゃが
この『冷やしみたらし団子』は、甘じょっぱいみたらしダレと団子がヒンヤリと冷やされておって、今の暑い時期にピッタリなのじゃ。
なのにそれでおって、いつも食べとる『みたらし団子』のよう。この冷たく冷やされとるはずの『冷やしみたらし団子』の団子は、いつもと変わらぬモチモチした食感をしとるのじゃよ。
ワシが前に食べ残した餅をコッソリ冷蔵庫に直した時は、後でコッソリ食べよったら餅が少々固くなっとて、首を傾げたものなのにのう~、…………何故じゃ?……解せぬ!」
何やら思い出した様子で、残り2個になった。自身が食べる皿の中の『冷やしみたらし団子』を見つめ。首を傾げながら話。
「……モグモグ………モグモグ………モグモグモグ
あっ!後はのう~。一番良かったのは、団子が串に刺さっとらんから口の小さなワシには食べやすかったのじゃ~!
そ、それでじゃのう~、…………愛満。ワシも『冷やしみたらし団子』のお代わりをお願い出来んかのう~?」
いつもの串に刺さった『みたらし団子』とは違い。お一人様用の深皿に『団子』と『みたらしタレ』が盛り付けられ。
冷たく冷やされた『冷やしみたらし団子』を食べ終えた様子の山背は、少々わざとらしいのだが、慌てた様子で『冷やしみたらし団子』の感想を教えてくれ。
最後にはちゃっかりと『冷やしみたらし団子』のお代わりを愛満にお願いする。
そうしてサイダーを一頻り堪能した花笑や和花の2人も山背絶賛の『冷やしみたらし団子』を食べ始め。
「……モグモグ………モグモグ……うんうん、山背の言うとおりやな。この団子、サイダーと同じくらいホンマに美味しいわなぁ~♪」
「……モシャモシャ………モグモグ………ホンマやね!この甘じょっぱいタレも美味しいんやけど、団子もモチモチしとうて、ついついあと一個、あと一個と手が動いてしまう美味しさやわ♪」
「そうじゃろ!そうじゃろ!」
あの後、見事愛満からお代わりの『冷やしみたらし団子』を貰った山背も加わり。3人が『美味しい、美味しい』と話し。『冷やしみたらし団子』を食べ進めるなか。
3人の空になったコップに、お代わりのサイダーを注いであげていた愛満が
「『サイダー』も『冷やしみたらし団子』も3人の口に合ったみたいで良かった、良かった!
あっ、サイダーも冷やしみたらし団子もまだまだ沢山お代わり準備してるから遠慮しないでどんどん食べてね。」
満足そうに頷きながら、『冷やしみたらし団子』も『サイダー』もお代わりを沢山準備してある事を嬉しそうに伝え。
「それより花笑、和花。お店のうどん屋さんの方はどうなの?
これから季節的にますます暑くなるでしょう、………大丈夫?
ほら、2人はうどん店を開けてる間中、うどんを茹でる『釜』でしょう。
それにうどんダシ、肉うどん用の肉なんかを保温してある『鍋』、揚げ物を揚げる『油鍋』なんかの設備された厨房内や厨房近くにずっと居る事になるわけだし。
僕も何回か和花達のお店で体験させてもらったけど、本当にうどん釜の熱気や湯気がスゴかったから2人の体調面が心配で………………。」
一日中大きなうどん釜を含め。アチラコチラの釜や鍋が白い湯気上げる高温多湿になる『うどん屋』厨房内の事を知る愛満は、花笑達2人の体調面を心配し。
「だからね。今まで以上に細めに水分補給して、熱中症なんかにならないようにくれぐれも気をつけてね。
あっ、後!これからどんどん蒸し暑くなる季節がら食べ物関係は出し放しにしてると直ぐに悪くなちゃうから、食中毒だけにはくれぐれも気をつけるんだよ。」
更には飲食店の敵になる梅雨を前に。
これからますます蒸し暑くなる日々がやって来るのを心配している愛満は、いつになく真剣な顔をして
真顔になりながら花笑と和花達に体調面や食べ物関係の事を注意すると
「あ~ぁ、そうやね。最近うどん釜の前とか暑うなって辛なってきたわな。
あっ、けどな。愛満がうちの店を建ててくれた時にな、付けてくれた魔法器の冷風機やったかなぁ?
アレを愛満が言うとおり、厨房内は一年中稼働させとるしな。いよいよ暑う時は扇風機も組み合わせて使う事にしとるからな。
そげん心配せんでも大丈夫やよ、なぁ和花。」
「そうやよ、愛満!最近日に日に暑うはなってきとるけどな。
店にも家にも今まで無かった高価な魔法器の数々を愛満が贅沢にも設置してくれたからな。安心して大丈夫なんよ!
後な、店の食材なんかは、ちゃ~んと愛満に習ったとおりに使う事に冷蔵庫へと直しとるけんな。そこんとこも安心して大丈夫やよ、愛満。」
愛満が朝倉町に在る家々(店舗兼自宅)を建てる際、無意識に設置していた。日本で言う所の家電品=コッチで言う所の魔法器の数々を上手く活用して生活している事を話。
愛満が心配する自身達の体調面と共に食中毒の心配は大丈夫だと伝え。
「あっ、けどな。この前うどん屋の常連客になる1人のお客さんがな。お日様サンサンのお昼の暑う中、汗だくになって店へと来てくれたんよ。
で、いつものように大盛りの『ざるうどん』1枚食べ終わったんじゃけど、今日は大盛りの『ざるうどん』1枚じゃ腹にたまらんかったって言うてな。
その後、熱々の汁が入った『肉うどん』をかなり暑苦しそうに食べてて可哀想だったんよ。」
何やら、とある1人の常連のお客さんの事を思い出した和花が、そのお客さんの事を話し始め。
「そうそう。だけん和花がな。
店で無料で提供しとる。うどんダシをとった後の昆布やイリコ、鰹節なんかの『3種類の佃煮』やろ。
それに花笑達が自身で育てとる野菜や山で採って来た山菜を使った『煮物』や『天ぷら』、『漬物』なんかを大皿に盛り付けてな。厨房近くのバイキング?テーブルの上に纏めて置いとるけんな。
それと一緒に『ざるうどん』食べてお腹一杯にして帰ってなって、和花がそのお客さんへと声をかけたんやけどな。
そんお客さん、それは和花達に悪い言うて、わざわざ追加で『肉うどん』を頼んでくれたんよ。」
「そうそう、ホンマに気の毒やったわ。
そもそも『ざるうどん』は大盛りのメニューも有るんやけどな。巨人族のあのお客さんには、大盛りの『ざるうどん』でもお腹空いとる時は足らんかったみたいやし。
しょうがないとは思うんやけど……………なぁ花笑」
「そうやね、和花。
なぁ愛満。だからと言う訳じゃないんやけどな。これからの暑うなる季節にな。こぅ~~手早く作れて、サッパリして夏にピッタリな食べごたえ有る。冷たいうどん料理を花笑達に何か教えてくれんじゃろか?」
お客さん思いの花笑と和花の2人が、最近の悩みを愛満へと打ち明け。何か良いアイデアはないかと相談する。
「うんうん、そうじゃよな~。働き盛りの者達には『ざるうどん』だけじゃ直ぐに腹が空くしのう~……………………。
そうと言って腹持ちを考え。熱い汁のうどんを頼むのも、こぅ~~暑い季節には厳しいものがあるからのう…………。
う~ん、………なぁ~愛満、ワシからも頼むのじゃ。花笑や和花達の為に何か冷たいうどん料理を教えてくれんかのう~。」
自身も花笑達が営む『うどん屋』の常連客になる山背は、そんな花笑と和花の話を聞き。
その話に同意して、自身が暑がりと共に汗かき、大食いな事も有り。夏の暑い時期の温汁のうどんは辛いよなと大きく頷き。2人に続いて、愛満へと頭を下げ頼む。
そんな3人の姿に和花達の話を聞いていた愛満も
「そうだよね。いくら店内を涼しくしていても暑い季節の熱々うどんは辛いよね。
それにコッチの世界の働き盛りの人達には『ざるうどん』だけじゃ直ぐにお腹が空いちゃうよね。
僕の考えが足りなかったよ、花笑も和花もゴメンね。
………う~~~~~~ん………よし、任せて!
ちょうど今日のお昼は、冷たいうどん料理にするつもりだったから、前みたいに僕が知ってる冷たいうどんレシピを教えるね。
だから山背、悪いんだけど引き続き店番頼める?」
「うむ!任せるのじゃ。店番くらいワシにかかれば、お茶のこさいさいなのじゃ!」
引き続き山背に店番を頼み。愛満や和花、花笑達3人は台所へと移動して、冷たいうどん料理を作っていくのであった。
◇◇◇◇◇
「と、氷水でしめたうどん麺にオクラ、長芋、なめこ、小ネギ、刻み海苔を盛り付けたら『冷やしとろろうどん』の完成だよ。
ここに引き割り納豆や温泉卵をプラスしても美味しいし。
後、器は涼しげなプラスチックの器に盛り付けたら夏らしい涼しげな雰囲気が演出出来て良いと思うよ。
まぁ、本当は安ぽっく見えないようにガラスの器が良いは思うんだけどね。ほら、割れたりしたら大変でしょう。」
安い値段で手早く食べられる和花達のうどん店の『うどん』は冒険者達にも人気で、少々そそかしいと言うか、慌てん坊な冒険者の人も少なくは居り。
そんな慌てん坊と言うか、短気と言うか、そんなお客さんが万が一お皿を落とし。怪我をしたりしないようにと心配した愛満は、『冷やしとろろうどん』を盛り付ける皿をプラスチック製の深皿にするようにオススメしつつ。
自身が知る冷たいうどんレシピを花笑と和花の2人に説明し。
2人は真剣な表情でノートに作り方などを書いたり。自分達も見映え良く盛り付け、練習していき。
「じゃ次はうどん麺の上に、さっき準備した千切り胡瓜、ざく切りレタス、くし切りトマト、ワカメ、ナルト、温泉卵、揚げ玉を盛り付けたら『冷やしたぬきうどん』の感想だよ。
どう?花笑も和花も盛り付け出来た?」
「バッチリ!!」
「和花もバッチリなんよ!
しかしこの『冷やしたぬきうどん』てな。なんや『たぬき』の名前が料理名に入っとるやろ。
だから解らんけど狸族の自分としては、こぅ~ジワジワと愛着がわいてくる料理になる気がするわ!」
3人で和気あいあいと話ながら、その後も次々と冷やしうどんを作っていると和花が愛満へと
「あんな愛満、もう1つお願いがあるんよ、よか?」
「うん、大丈夫だよ。どうしたの?何?」
「あんな、毎日うどん麺がな、2玉から5玉くらい余るんよ。
だからと花笑と2人で毎日食べとるんやけどな。いくらなんでも毎日のうどんは飽きるんよ。
だからな、ダシをとった後の昆布やイリコ、鰹節を佃煮にしたようにな。
自家製野菜や山菜の『煮物』や『天ぷら』のようにな。余ったうどん麺を使ったな。何かお客さんへの(無料の)サービス料理が作れんか聞きたかたんよ。」
毎日少しずつ余るうどん麺を使用し。現在お店で提供している。
出汁をとった後の昆布やイリコ、鰹節等の『3種頼の佃煮』に始まり。
花笑達が自分で育てている自家製野菜や山から採って来た山菜を使用した『煮物』、『天ぷら』、『漬物』に加えて、無料のサービス料理を作れないかと質問され。
話を聞いた愛満は、しばらく考え込んだ後。
うどん店で提供しているメニュー等と被らず。また食べこだえある料理を何やら思い付いた様子で和花達へと話ながら、先程の余った材料を使用しながら手早く作り始め。
「このレシピはね。邪道かも知れないだけど味が濃いから食べこだえもあると思うし。
働き盛りの人達には良いかなと思って、ちょっと閃いたんだけど………………。
まず、前日に余ったうどん麺を食べやすい長さに切り。
あっ、うどんの麺が一塊に固まってたら、軽く水洗いしてから良く水切りして切ったら良いよ。
で、冷やしうどんで余った具材のレタスや胡瓜、ワカメ、ナルトのはじっこ何かの具材を千切りにして
マヨネーズ、塩コショウを混ぜ合わせたら完成する『マヨサラうどん』になるんだけど…………どう?
これならマヨネーズてコッテリして食べごたえもあるし。『スパゲッティサラダ』のうどん麺バージョンとも思うんだけど……………。
あっ、後ね。お店が開店する前に、前日に余って冷蔵庫に直しておいた『うどん麺』や下拵えした際に余った食材を使って作っておけるし。
開店するまでの間、冷蔵庫で冷やしておいたら、お客さん達も冷たく美味しく食べられると思うんだ……………」
完成したばかりの『マヨサラうどん』が盛り付けられた深皿を手に持ち。少々不安そうに花笑達へと問い掛ける。
「ヘェ~~、このうどん料理、残り物や余り物の具材にも見えへんし、スゴい良いわな!
マヨネーズなら家うどん店のメニューにも無いし、そもそも被らんとも思うわ。後、絶対お客さん達にも喜ばれると思うんよ!」
「本当やね!やっぱり愛満に質問して良かったわ♪」
和花達2人に喜こんでもらい。愛満がホッと胸を撫で下ろす中。
「愛満~ただいま~♪タリサが帰って来たよ~♪あーーーぁ、お腹空いた~!」
「よしみちゅ~たらいま!マヤラがかえってきちゃよ~♪おなかちゅいた~!」
「愛満~ただいまへけっ!僕もお腹空いたへけっ!」
「ただいまでござるよ。拙者も帰って来たでござる~♪あ~~~ぁ、お腹空いたでござるよ。」
今日もまたお腹を空かせた腹ペコ君達が、元気良く『ただいま』の声と共に帰宅し。
その後、お昼を食べに帰って来た美樹や黛藍も参加し。お昼ご飯を兼ねたうどん店の夏季限定のメニューを決める為。様々な種類の『冷やしうどん』の試食会が始まるのであった。
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本当にありがとうございます。
脱字、誤字の多々ある作品ですが、これからもよろしくお願いします。
《夏限定『冷やしたぬきうどん』と、うどん店の夏の新メニューの登場人物》
・花笑=狸族の青年。生まれ育った村の方言バリバリに話す。
彼等の生まれ育った村には、厳しい掟が有り。以外に苦労人な人になる
・和花=狸族の青年。朝倉村でただ一件の『うどん店』を花笑と2人で営む
・愛満=今回も村の皆の為に頑張っている。ちなみに今日は花笑と和花の為
・山背=万次郎茶屋の店番を頑張るお爺ちゃん
・愛之助、タリサ、マヤラ、光貴=万次郎茶屋の仲良し4人組
・美樹、黛藍=各々が営む『美容室』や『包子』で頑張りつつ。お昼ご飯を万次郎茶屋へと食べに帰って来ている




