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嬉し楽しみ「お重弁当」と運動会当日



「おっ、なぁ愛満。次の次がタリサと光貴の出る競技みたいだから、俺ゴール近くに移動して、ちょっとシャッターチャンス狙ってくるな。」


昨日自分達で準備した快適なテント内に座り。

運動会のパンフレットを見ていた美樹は、次の次の競技に可愛い弟分の光貴やタリサ達が2人が出場する事に気付き。隣に座る愛満へと声をかける。


「あっ、本当に!美樹、ありがとう。なら言葉に甘えて、頑張って2人の良い1枚よろしくね!」


愛満に声援と共に送り出され。美樹は身愛用の一眼レフカメラを首に下げ。ゴール付近へと移動して行く。



そんな運動会日和のポカポカ陽気のこの日。愛満達が住む朝倉村は、山背の調べどおり、晴れ晴れした好適な天気に包まれ。

朝倉学園主催の『第一回・朝倉学園運動会』は、何のアクシデントも無く、和やかな雰囲気のなか順調に進行されていた。



そして美樹の教えてくれた通り。タリサや光貴が出場する競技の順番がまわってきて


「あっ、愛満!タリサと光貴出てきたでござるよ!」


ほんちょじゃ(本当だ)にいちゃん(兄ちゃん)こうき(光貴)だ!

お~い!にいちゃん(兄ちゃん)こうき(光貴)がんばりぇ~(頑張れ~)!」


「お~~い!タリサ~光貴~!頑張れ~!」


「頑張るのじゃ~!」


愛満お手製の少々力が入りすぎた様子の豪華絢爛な入場口から入場してくるタリサと光貴の2人を発見した愛満達は、興奮した様子で大きな声援を贈り。

その後、始まったタリサや光貴が力の限り頑張っていた競技を楽しみ。


午前の部に開催される残りいくつかの競技をテント内で観覧、力の限り応援しつつ。


最近、外遊びの途中に『お腹が空いた』や『喉が乾いた』と万次郎茶屋にやって来ては、嬉しそうに愛之助や愛満が振る舞うお茶を飲んだり、饅頭を口いっぱいに頬張り。

手やポッケに2~3個の饅頭を握り締め、また駆け足で外遊びに繰り出す。


そんな子供達の姿を少しづつ見慣れてきた愛満は、そんな子供達(チビッ子達)がキラキラと汗水垂らし。楽しそうに仲間と力を合わせ協力したり、頑張ている姿を見ていて


あそこに居るあの子も、あっちに居るその子も、すぐそこに居るこの子も

この村にやって来た当初は、長期間開戦されていた戦争の名残なのか常に何かに怯え。

酷くオロオロして、体も痩せ細り、声に力も無く。

まわりに居る見知らぬ者を警戒して、母親や父親、兄妹から離される事を酷く嫌がり。突然声もなく泣き出したりと


ここだけの話。

この先この子達に自分が必要とされ。何か力になれる事は有るだろうかと愛満が密かに考え心配するくらい。

本当に子供達の顔には表情が無く、覇気(はき)も無かった。


けれど今では、そんな昔の事が嘘のよう。

眩しいくらいにキラキラ光輝き。体全身を使って運動会を心から楽しんでいる姿を目にしていて


愛満は、あの子達は自分が知らないだけで、あの子達なりに一歩一歩前に進み。

日々、1日1日と心身ともに成長、強くなってるんだなぁと思い感じ。

何処かハリ積めていた気持ちが少し軽くなったような気がして、知らず知らずのうちに瞳を潤ませ。


「愛満、はい。拙者のハンカチ使うでござるよ。」


愛之助からコッソリ、自身のポッケトに入れて持ち歩いていたマイ○ロちゃんが描かれたハンカチを手渡され。


「あっ、愛之助ありがとう。

ハァ~~、いけない、いけないね。最近年のせいかな、子供達のあんなに楽しそうで、頑張る姿を見ていたら何でか感動してきちゃって、ついつい涙が出ちゃうんだよ。」


自身の頬を流れる涙を拭い、少し照れくさそうに照れ笑いするのであった。



◇◇◇◇◇



そうしてその後、子供達の頑張りを応援しつつ楽しんでいると学園のお昼を知らせる鐘が鳴り。愛之助や光貴達が楽しみな、お弁当の時間が到来し。


生徒用のテントからお昼寝ご飯を食べる為に移動を始めたタリサと光貴の2人は、はぐれてしまわないように仲良く手を繋ぎ。

首を右往左往しながらキョロキョロと愛満や自分達の家族が何処に居るのか探していると


「タリサ~光貴~!ココだよ~ココ!」


「タリサ~光貴~!ココでござるよ~!」


にいちゃん(兄ちゃん)こうき(光貴)、マヤラはココじゃよ~!」


そんな2人の姿を目敏く(めざとく)発見した愛満達は、大きな声でタリサと光貴を呼び寄せる。


すると愛満達の声でこちらに気づいた2人は、満面の笑みで愛満達のいるテントに走り寄って来て


「2人ともお疲れ様。かけっこスゴく頑張ってたね。皆で応援してたよ。」


何やら一安心した様子で、テントへとやって来た2人を出迎え。

汗をかいたタリサと光貴の2人に、冷たく冷やしたおしぼりで、汚れた手を拭かせつつ。別のおしぼりで汗をかいた頭や顔を吹いてあげ。

昨日や今朝早くから腕によりをかけて作った。お重の弁当箱を愛之助達にも手伝ってもらいながら地面に並べて、待ちきれない様子の愛之助達に披露すると


「ウヮ~~~♪スゴく美味しそうへけっ!

まず『唐揚げ』が入ってるへけっでしょう~♪それに『タコさんウィンナー』、『玉子焼き』、『海老フライ』、『ミートボール』、『とうもろこし』

他にもいっぱいお重に詰められてるへけっ!後、彩りも綺麗へけっし、何だか可愛いへけっね~~ぇ♪」


「本当だ!美味しそうなおかずがね。全部いろいろ違う組み合わせで一つ一つの紙コップに入ってるの!

こっちの紙コップには『玉子焼き』でしょう。それに『アスパラのベーコン巻き』、『鶏の照り焼き』、『ハムとチーズのレタス巻き』、『トマトで出来た、てんとう虫』の組み合わせで入っててね。

その隣の紙コップには『鮭のパセリピカタ』、『ミニコロッケ』、『ほうれん草の海苔巻き』、『お花の形になってる人参のレモンサラダ』、『カニカマと胡瓜のレタス巻き』の組み合わせで入ってるの!

あ~~~ぁ、本当にスゴ~~~~い♪美味しそうなの!」


ちょいちょい愛満におかずの名前を耳打ちしてもらいながら、タリサや光貴が嬉しそうに話。

愛満や愛之助達が並べる4つのお重の段を興味津々な様子で、更に覗き込み。2人はお重の中に自分達の好物を見つけたり。

愛満が皆が食べやすかったり、取りやすいだろう等と考え。紙コップに様々なおかずを組み合わせて詰め込まれた『おかず重』を楽しそうに眺め。お弁当の彩り鮮やかな美しさに騒ぐ。


そしていると愛満のお手伝いで、沢山持ってきたお弁当(お重)を並べている愛之助も待ちきれずワクワクした様子で、自身の目の前に置かれ。

先ほど自分が並べたばかりのお重の中身を話始め。


「ウヮ~~♪こっちのお重2つも美味しそうでござるよ!

まず1段目のお重の中身は『お握り』になり。お握りの上にチョンと中の具材が乗って、行儀良く綺麗に並んでるでござるよ。

えっ~と、これが『鮭』で、横のが『梅おかか』

そのまた横が『ツナマヨ』で、これが『昆布』、こっちが『野沢菜』、『エビマヨ』、『明太子』と続くでござる。

さらには山背が好きな『ワカメのお握り』まで入ってるでござるよ。

あっ、それでもう1段のお重が『巻き寿司』と『いなり寿司』がギッシリ並んでるでござるよ。

で、美樹、山背。そっちのお重の中身は何が詰まってるでござるか?」


同じく愛満の手伝いでお重を並べている美樹や山背へと問い掛け。


「おぅ!こっちのお重はサンドイッチになってな。

愛之助達も大好きな愛満お手製の『厚焼き玉子サンド』だろう。それに俺が好きな『カツサンド』、山背が好きな『ツナサンド』、黛藍が好きな『海老カツと野菜のトマトサンド』に続き。

シンプルな『タマゴサンド』、シャキシャキレタスやハムやチーズがたっぷり挟まれた『野菜サンド』、『照り焼きチキンのタマゴサンド』なんかのサンドイッチが沢山詰め込まれているぞ。」


美樹がサンドイッチ一色になるお重の中身を話せば、美樹の隣に座ってお手伝いしている山背も


「こっちのお重はフルーツ、デザート系になるのじゃ。

まず冷たく冷やされた。愛之助が大好きな『苺』じゃろ。それに『桃』や『葡萄』、『蜜柑』になるのじゃ。

次にデザート系が『蜜柑入りの牛乳寒天』、具沢山の『あんみつ』、『フルーツゼリー』なんかが入ったカップが彩り鮮やかに並べられておるのじゃ。」


皆で和気あいあいとお重の中身を報告し合い。そのままお昼ご飯の時間が始まり。

各自食べたい物が詰め込まれた紙コップを取り、モリモリと食べた進めていく。


「うんうん、美味しへけっ!僕、やっぱり愛満が作てくれた甘い『玉子焼き』が一番大好きへけっ!!」


「僕は、この中にウズラの卵が隠れてる『ミートボール』が美味しい!」


タコしゃん(タコさん)おいしい~(美味しい~)♪モカもおいしい(美味しい)?」


「美味しいニャ~♪マヤラ、この『ツナサンド』美味しいニャね。食べてみるかニャ?」


「うんうん♪今日の『いなり寿司』は、白ゴマや甘酢生姜が混ざったシンプルな酢飯を稲荷(油揚げ)に詰め込んで有るでやんすね。

………モグモグ…………モグモグ………………う~~~ん♪これはこれで美味しいでやんすね。」


「ワシは『鮭のパセリピカタ』と言うニャゴか?

そんなソテーされた鮭の切り身にニャゴ、刻んだパセリが入った玉子液を衣の用にして焼かれた。

ワシが大好きな鮭を使った料理を初めて食べたニャゴが、初めての出会いで美味しかったニャゴ。

じゃがニャゴ、ワシはやっぱり魚に良く合う醤油が好きニャゴじゃから、同じ鮭の切り身や醤油を使った『鮭の照り焼き』が一番美味しかったニャゴよ!

………モシャモシャ……………モシャモシャ……………しかし今日は実に良い日ニャゴね!

最初モカに教えられ時は悩んだニャゴが、嫁に隠れてこっちに移動して来て大正解だったニャゴ♪

ハァ~~~こんなに美味しい魚料理がお腹いっぱい食べれるニャンて、今日は本当にラッキーニャゴ!」


いつの間にやら人数が1人、2人、3人と増えてるような気がするのだが、万次郎茶屋ではそんなこと日常茶飯事で、万次郎茶屋の面々は全く気にした様子も無く。

逆に何やらご満悦の様子の山背が


「本当に旨いのう~!ワシは海苔とチーズを竹輪で巻いたのが、一番美味しかったのじゃ。

しかし愛満、この紙コップに何種類かのおかずが小分けに入っておるのは良いのう~♪実に食べやすいのじゃ。」


様々な組み合わせでおかずが詰め込まれた紙コップの事を誉めてくれ。それに続くように美樹も


「本当だよな!紙コップに小分けされてるからパッと取れるし。取りやすくて、食べやすくも有り。

紙皿だとマヤラやタリサ、光貴のチビッ子組が溢ぼしたり(こぼしたり)しないかと心配だったんだけど、コレなら溢す心配もないし、楽チンで本当に良かったぜ!」


「本当に!それは良かった。

実はね。いつもお弁当の時に仕切りや彩りに使うレタスが誰も食べずに残ってて、もったいないと思ってたんだ。

だから紙コップにおかずを3~4種類づつ小分けにして入れてね。

皆が好きなハムやチーズ、カニカマ、マヨネーズなんかをレタスで巻いて紙コップに差し込んじゃえば、ついつい食べちゃうだろうし。パッと見、彩り鮮やかで良かなと思ったんだ。

それに何種類かのおかずの違う紙コップも出来て、みんな選ぶ楽しさを味わえ。好き嫌い無く食べてくれるんじゃないかなぁとも思って、ものは試しにと。

今日のお弁当のおかずのお重の段は、この紙コップスタイルにチャレンジしてみた訳なんだ。」


山背達絶賛の紙コップにおかずを詰めた訳などを話した。



◇◇◇◇◇



その後、家から準備してきた冷たい麦茶をタリサや光貴、愛之助達に配りつつ。

美味しそうに自身が作ったお弁当やデザートを食べてくれている愛之助達の様子を嬉しそうに見つめ。

愛満は『風呂屋・松乃』の仕事で、お昼から遅れてやって来たタリサとマヤラの両親になる。アルフ、アコラ夫婦へと、2人用に別に作っておいたお弁当を渡したり。


午後からの部のタリサや光貴達が踊る。学年事に違う、音楽に合わせた創作ダンスを楽しんだり。

観覧者達が自由参加出来る『パン食い競争』や『二人三脚』に参加した美樹や山背、愛之助達がハッスルしたり。

参加賞でお菓子の詰め合わせが貰える。まだ学校に通ってない子供達が一生懸命踊る。ちょっとしたお遊戯会の用な出し物を観覧したりと、午後からの運動会も楽しみ。



こうして朝倉学園主催の初となる第一回目の運動会は、大きなアクシデントや怪我人も無く。参加者達みんなが楽しんだなか、無事閉会したのであった。





ブックマーク、お気に入り、評価をしてくださった方、本当にありがとうございます。

誤字、脱字が多々ある作品ですが、これからもよろしくお願いします。



《嬉し楽しみ「お重弁当」と運動会当日の登場人物》



・タリサ、光貴=人生初の運動会に大ハッスル中


・マヤラ=人生初の運動会の観覧を楽しみ。兄タリサや仲良しの光貴の応援を頑張る!


・愛満=朝早くからお弁当作りを頑張り。

尚且つ、早朝コッソリ学園へとやって来て、何か不備などが無いかと入念にチェックしていた。そんな少々心配性な人


・愛之助=人生初の運動会の観覧を楽しみ。弟分の光貴やタリサの応援を頑張る!


・美樹=この日の為に少し無理をし、自身が経営する美容室を臨時休業させ。

自身愛用の一眼レフ持参で、運動会に参加する子供達や保護者達の写真を沢山撮り。後に無料で配り歩く。そんな心優しきイケメン


・山背=人生初の運動会に興奮し。実は昨日の夜なかなか寝付けなかった。そんな少々寝不足なお爺ちゃん


・モカ=仲良しのマヤラ達に誘われ。愛満お手製のお弁当に舌鼓をうつ。ケットシー族の男の子


・朱冴=安定のいなり寿司ラブの人。

この人、お店開いてるのにその店は大丈夫なのかと少々不安にさせる、今日この頃


・コテツ=妻の目を掻い潜りながら大好きな魚の為。愛満お手製のお弁当に舌鼓をうつ。魚ラブのケットシー族のおじさん


・アルフ、アコラ=兎族のタリサとマヤラの両親

自身も息子や孫達の初参加になる運動会を観覧したかったのだが、自身の他の子供達夫婦の為。

自身達は風呂屋・松乃の仕事にセイを出していのだが、気をきかせた他の子供達から送り出され。なんとか午後からの運動会の観覧に参加出来る事になる。心優しき夫婦





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