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第8話~魔王種と呼ばれる鬼

連日投稿とさせていただきます…休みがあればこのペースを…

「うーん、せめて近くにある町の方向を聞いておけばよかった」


そうつぶやくのはあの森で一角狼(ホーンウルフ)と別れてから1時間以上経過した後だった。


視界をぐるりとまわしてみても、今度は木の一本も生えておらず、月明かりに照らされて映るのは私と私のくるぶしほどもない草木が、弱い風でなびくだけ


満月のような月

私の影が色濃くその草原に伸びる。


「野宿してもいいんだけど、さすがの私も睡眠中はある程度無防備だし」


などと独り言をつぶやいていると、私の耳にはその自分の声以外にも空気を震わせえる振動があるのに気が付いた。それに意識を集中してやると、その音が激しく駆け回る荷馬車の音と、それを追跡している巨大な二足歩行の生物の足音だった。


音から想像するに巨大な二足歩行は、先ほど倒したゴブリン(キング)よりも大きいのは明確だった。体の大きさがその者の強さに直結するとは限らないが、体躯の大きさがアドバンデージになることには変わらない。


体に疲労が蓄積したわけではなかったが、精神的に歩き疲れていたはずの私は、再び強敵と会えそうな予感に高揚を隠しきれず、気づけばまた息が乱れていた。


向かわずともあとものの1分足らずで荷馬車がここに来るとわかっているのだが、急な方向転換をする可能性もあるし、大体をもって私がこれ以上待てるはずもなく、頭よりも先に体が地面を強く蹴りつけようと動き出して居た。


全速力でなかったのは、対面したタイミングでその相手の力量を察知して行動に移すまでの時間がほしかったからだ。


私の視界に荷馬車と敵であろう二足歩行の生物が入った。

この世界の馬は、前の世界のものと大差なく、一つ異なるといえば、目が以上に赤く発光しているように思えるほどだった。


それよりも私の目を引いたのは、後ろについてきている、生物の方だ。

私の予想通り体の巨大さは先ほどのゴブリン(キング)が小人に思えるほどで、体表は黒鉄のように鈍く光る黒。満月出なければ闇夜に溶け込んで見つけるのが難しくなりそうだ。

それよりも内包する力の強さを体現したようなごつごつとした筋肉と肩や背骨のあたりには大きなとげのようなものが生えていた。


「もしこんなのが森に入ってたら、あの一角狼(ホーンウルフ)達は私に助けを求めることもなく全滅していたんだろうな」


と思っていたことは自然と口からこぼれていた。


「そこの人!避けてください、デモンズオーガに追われてるんです。奴はこの荷馬車の中身にしか興味がありませんから!!」


荷馬車を操る御者の男が、その轟音に負けないような大声で私に忠告をしてくれる。ほとんど同じ速度で走る、馬とそのデモンズオーガだが体力的な面でいずれ追いつかれてしまうのは明白だ。


もしかしたら秘策があるかもしれないけれど、彼の顔は必死そのもので何かあったとしても何かを犠牲にするような奥の手のようなものだろう。


とまぁ、キャラにも合わない分析をしてみたところで私は自分の視界にあることをつらつらと述べているだけで、考えていることはただ一つ。



「こいつは強いのか?」


その問いかけの声は小さく御者の男には聞き取ることは不可能であった。それにまず間違いなくゴブリン(キング)よりも格上だろうデモンズオーガであったが、何かで理性を失っているのかとてもじゃないけど話せるような状態ではなかった。


私が避けなかったことで荷馬車の方がギリギリで躱すこととなったが、腕が良いのかバランスを少し崩しただけで、大事には至らなかった。


私の目の前には自分よりも5倍はあろうかという体躯の所謂化け物が向かってくる。


ごくりと生唾を飲んでしまう。

きっと今までにないくらいの強敵なのだろうと期待を持ってしまう。


少し残念なところは、目の前にいるのが私だというのにデモンズオーガの視線は荷馬車からそらされることはない。


「そんなに魅力的な何かがそこにあるっていうことか、まぁお前はそれに触れることもできないよ。私がいるからね」


この世界に来てからの私の攻撃は

力加減としては1割にも満たないが、それでもゴブリンの首はとびゴブリン(キング)に至っては全力の一撃と同等であった


だが、5割以上もの力を込めて振った金属バットと当たる直前で気が付いたデモンズオーガは私の体の大きさもある手を振るう


ゴォオンッ!!


衝突音とともに飛ばされたのは、第三者から見れば当然である私の方だった。

だが、デモンズオーガの方も無傷というわけ出なかったようで、4本あったうちの指が今では2本となり、もげた場所からは血がドバドバと流れていた。


「ステータス!」


・・・・・・

ヤガミ アリア 人族 17歳

称号:鬼姫のアリア

LV:3

HP:120/490

MP:200/200

ATK:550

DEF:115

INT:7

LUK:∞

スキル:異世界言語10・生活魔法10・アイテムボックス10・健康体10・ド根性10

・・・・・・・


吹き飛ばされたといっても受け身をとってバットを杖のようにして立ち上がった私は

感覚的にダメージがどの程度かは分かるけど完璧に把握出来るわけでもなく妙な感じもしたのでなんとなく覚えたてのステータスを発動した。


そして表示されたものに私は一瞬驚いた、特に何かあったわけでもないがレベルが2上昇して3となってステータスもそれに伴って上がっていた。

1万以上のゴブリンとゴブリン(キング)を倒した割には上がり幅が少ない気がする。


しかしこのステータスを見る限りデモンズオーガの一撃で300以上のHPが吹っ飛んだようだ。


さて、と

デモンズオーガのほうは痛みのせいで、興奮状態が僅かに覚めたのかそれとも私を障害と見なしてくれたのか、今では荷馬車の方ではなく私の方を見据えている。


私のほうも立ち上がり金属バットを構えなおす、その動作をとったときにはステータスは自動的に閉じられ、このタイミングでステータス画面は動かない間だけしか見れないということに気づくがそんなことはどうでもいい


HP0になることが死に直結するのかわからないが避けたほうがいいのは確かだ、ってことはかなり残念だけど真向勝負はやめておこう


前の世界の時だってそういった戦いが無かったわけじゃない。それでも私は負けたことは一度だってない。


それはこれからも変わらないこと


構えた私を見て、いつの間にか指を再生したデモンズゴブリンは大きな地響きをあげながら突っ込んできた、一歩ごとに体重を掛けているのが分かるくらい非効率の走り方だが、それでも圧倒できるという自信と見合うだけの力がこいつにはあるのだ。


巨体の割に素早いデモンズオーガは私が吹き飛ばされた50メートルほどの距離をあっという間に詰め寄り、私よりも僅かに大きな自身の間合いに入った途端、あからさまなまでに大きな動作でもって殴りかかる。


「調子に乗るなよ!!」

「それは吾輩のセリフである!!人間風情が魔王種である吾輩に傷を負わせるなど大罪に値する!!」


やはりこいつも喋れるのか

それに吾輩?魔王種?そんな強そうなの


興奮する!!


良かったらブックマークとかしてくれると活力になります。




クリスマス…なんだよなぁ

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