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FaTuS;契約譚  作者: 元気ハツラツマン
二章 仲間探しの旅
12/91

第二話 二つ名

✣ ✣ ✣


ある男がデウスとデアが入っている店に入ってきた。

「ここに契約者が来たそうだな。」

二丁の拳銃を腰に掛け、店に入ってきた。

周りの者は驚いて男の方を見る。

デウスとデアは気にせずに飯を堪能する。

男はデウスとデアの座る席に歩み寄ってきた。

「契約者ってのはあんたらだな?」

男は机に足を置いて問いかけてくる。

デウスは口の中の物を飲み込み、フォークを置く。

「そうだが、それがどうかしたか?」

全くの警戒心もなく、少し睨みつけるように男を見た。

「お前らみてぇな餓鬼が契約者か。笑い物だな。」

男は一人で笑いだした。

デウスはため息をついた。

「″餓鬼″は心外だな。確かにお前からすれば子供かもしれないが、それ程″餓鬼″じゃないんだ。」

「ほう?」

男は眉を寄せる。

デウスの服の衿元を引っ張る。

「そんなに言うんだったら見せてもらおうじゃねぇか。お前が餓鬼じゃねぇって証拠をよ。」

この世界では餓鬼は弱者と同じ意味になる。

「いいぜ。」

「そんなに簡単に了承していいの?」

デアがデウスに言う。

「大丈夫さ。」

「でも病み上がりでしょ?」

「途中で気を失うかもしれないが、死なない程度で戦うよ。」

「おいてめぇ!」

男がデウスの衿元を強く握りしめた。

「なんだ?」

「あれ程餓鬼じゃねぇと宣言しといて手加減だァ?ふざけてんじゃねぇぞ?」

「何もふざけてなんかない。」

「ちっ、冷静沈着の素振りをしやがってよ。本当はビビってんじゃねぇのか?」

デウスは立ち上がり、衿元を掴む手を振り払った。

「そんなのはどうだっていい。早く殺ろうぜ。」

デウスの言葉からは優しさは一欠片も見当たらない。殺意のみが込められているようだ。

「なら着いてこい。」

男が歩き始めた。それに続き、デウスが歩く。

「デアはゆっくり飯でも食っといてくれ。すぐ終わらしてくる。」

「分かったわ。」

デアは食事を再開した。

デウスと男は戦場へと移動した。

戦う為に作られたように見える場所だ。

その周りには家が一件もなく、壁になっている。

コロシアムのような構造だ。

「さ、始めるか。武器を出しな。」

デウスは背の大剣を手に掴み、剣先を敵に向けるように構えた。

男は二丁の拳銃を手を取った。

今までのジョブだと持てない拳銃だ。

「俺のジョブは銃使い。銃の扱いならちょちょいのちょいだ。珍しいジョブで知ってるやつはいねぇが。」

自ら解説をした男。

デウスは武器を強く握る。

「そんなことより早く始めようぜ。」

「ふんっ。威勢のいい餓鬼だ。来い。」

デウスが先手を取り、走り出した。

男は拳銃を片方だけ構え、発砲した。

弾丸はデウスの足を貫いた。

「いっ!」

そのまま勢いよく転けた。

デウスは血の爛れる足を抑えながら男を見た。

「デルドラ国から来たって言うから銃のことは知ってると思ったが、知らないようだな。それなら俺のが有利だな。」

男はまた銃を構えた。

デウスはゆっくりと立ち上がり、後ろに下がった。

「遠くに逃げるとは。」

男は捨て台詞のように言い、発砲した。

今度はデウスの左肩だ。

血の勢いは増すばかり。止まる気配などこれっぽっちも感じられない。

「やっぱりお前は餓鬼だな。弱すぎる。」

その台詞を聞いてデウスは少しカチンと来た。

「なら少しだけ本気を出すか。」

人間の限界値の力は八十パーセント程。少しの本気となると二分の一程度。

しかし、これのせいで一気に形勢逆転する。


✣ ✣ ✣


デウスの姿は何ら変わりがない。

「お前本気出してんのか?」

「少しって言っただろ。」

デウスは地面を蹴った。

『こいつ!さっきとは桁が違う!』

思いもつかの間、刃が男の真横に向けられていた。

『これは、やばい!』

男は拳銃で防いだ。

しかし、拳銃を一つ真っ二つに斬られてしまった。

「なんて武器だ。鉄を切断しやがった。」

「一つ残ったか。次は仕留める。」

デウスは両手で大剣を持つ。

簡単には勝てないと確信した男はある行動に出た。

「習得したばっかのスキルを使うか。」

男の持つスキルは大砲。

弾丸のスピードは遅いが、威力が桁違いになる。

例えるなら大きさ以外大砲とまるっきり一緒だ。

「これで頭を吹き飛ばしてやる!」

「やってみろ。」

男の拳銃の先端からは火花が舞い、弾丸が跳ね飛ばされた。

デウスは大剣で弾丸を突き刺した。

弾丸は軽々と止められ、地面にカラカラと音を鳴らして落ちた。

男は膝を着いた。

自分の切り札さえも打ち破られた絶望感。

デウスは男の前まで歩いた。

「俺は餓鬼じゃねぇ。」

そのまま振り返り、店まで戻ろうとした。

「待て!」

男の言葉に妨害されるように足を止める。

「なんだ?」

「お前、名前は。」

「デウス。デウス・ペンドラゴン。」

「ペン、ドラゴン。」

名前を聞いて小さな笑みを浮かべ、立ち上がる。

「敵を誤っていた。済まない。」

そう言って男気のないことを口にして男は場を去った。

デウスも店に戻った。

店に戻ると、デアが椅子に一人チョコんと座っている。

「終わったぞ。」

デウスはデアの前の席に腰を下ろした。

「そう。どうだった?」

「あんまりって感じだった。」

そう言って肘を着き、顔を置く。

「こちらをどうぞ。」

店員がデウスに飯を出してきた。

「え?これって、」

「新しく作りました。」

「いや、でも悪いよ。」

「いえいえ、こちらの国の者がお食事の邪魔をしましたので、気にしないでください。」

「いや、でもお金が。」

「残した分が多かったので、お金は一つ分で結構です。」

なんて優しい店員なんだろうか。

「すみません。こんな何処の馬の骨とも分からない男に。」

「大丈夫ですよ。」

店員の出した飯をデウスは美味しそうに頬ばった。幸せそうに。

デアはそれを見て微笑む。

なんて微笑ましい光景だろうか。

すると、他の席に座る人がデウスに話しかけた。いや、褒め讃えたいと言うべきだろう。

「あんた凄いな。」

デウスは飯をたった二分で全て平らげた。

近くにあるティッシュをとり、口を拭いてから言った。

「何がだ?」

「何がって、あの男を倒したんだろ?」

「倒したってより膝をつかせたの方がいいかな。」

「同じだ。」

「あいつはそんなに強いのか?」

「強いも何も世には珍しい二つ名持ちだぜ?」

二つ名とは、優れた冒険者や実力のある人に付けられる限りのめい

『あの男が二つ名?』

デウスは疑問だった。あれ程弱い男が何故二つ名を持っているのか。

「奴の名前はビングル・ビルグルル。二つ名は二丁拳銃。ほとんどそのまんまだな。」

一人の男が奴のことを話した。

『ルの多い名前だな。』

デウスはそう思う。

「あんたも二つ名あるんだろ?」

「いや、俺はない。」

「ないのに二丁拳銃に勝ったのか!?」

「ま、まぁ。」

勢いの強い男だ。

デアは二つ名を持っていないのか。そう疑問に思ったデウスはデアに聞くことにした。

「デアは二つ名あったっけ?」

「あったじゃない。」

「もしかして、あれ?」

デウスの頭には一つの可能性だけ引き出していた。

「不敗の少女。」

「やっぱりか。」

病院でデアが言っていた。

不敗の少女はデウスによって破られたと。

未だにそれがまだ二つ名。

二つ名は死ぬまで定着する名前だ。

「ねぇ、デウスには本当に二つ名無いの?」

「あぁ。無いんだよ。」

「なら私が付けてあげるね。」

デアが途端にそう言い始めた。

二つ名は自分以外なら誰からでも付けてもらえるめいだ。

「へぇ。嬢ちゃんが付けんのかい。」

「さぞいい二つ名が貰えるんだろうな。」

発言するのはほとんど男だ。女はデウス達を見るだけ。

「そうね。じゃあ、″憤怒の英雄″。」

どうしてこの二つ名になったのか、デウスは想像がついた。

デウスはフローレと契約している。それにデウスは怒りに任せて体を動かすタイプの人間だ。

英雄はデアからのデウスだ。

デアからすればデウスは自分にとっての英雄だ。

「いい二つ名を貰ったな。少年。」

『憤怒の英雄か。』

「どう、かな。」

「嬉しいよ。ありがとう。」

デウスは心から感謝をした。

「それは良かった。」

デアも嬉しそうだ。

「そろそろ店出るか。」

「そうね。」

デウスは店員に代金を払って店を出た。

空は少し紅を帯びてきた。

「もう部屋に戻った方がいいな。」

「そうね。戻りましょ。」

デウスとデアは部屋に戻った。

店に入り、二階に上がるデウスとデア。

部屋の前に立ち、鍵を開けた。

そのまま部屋に入り、二人同時にベッドにIN。

なんだか面白い光景だ。

二人はそのまま立ち上がることもせずにベッドの上に寝転がった。

フローレとイリビードはまだ戻ってこない。

かなりエンジョイしているのだろうか。

デウスとデアは見合い、同時に笑った。

「デア。二つ名くれてありがとな。」

「いいよ。それぐらい。君が私にしてくれたことに比べれば。」

和む会話をしてそのまま上を向く。

「ねぇ、デウス。」

「なんだ?」

「私ね。デウスのこと好きだよ。」

「前からのことだろ。それに、俺も出しな。」

デウスは照れ臭そうに顔を手で覆った。

『可愛い。』

デアは照れるデウスを親のような目線で見た。

恋人さが出てきたというものだ。

この二人はとてもいいコンビになりそうだ。

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