「第二話 新しい生活」
す、すげえ。
「ふう。大丈夫か?ガキ。」
「あんた何者なんだ?というか今の何なんだ?」
「何って。この湖の主だな。」
湖の主って言っても規格外すぎるだろ!
というか剣であんな怪物相手に立った一発で倒すって相当だぞ!
「じゃあ、あんた誰なんだよ。」
「俺か?聞いて驚けよ?俺は王国の危機を何度も救い世界最強の剣豪としてかつて名をはせたものだ!」
こいつ中二病なのか本気で言ってんのか。
というか今のを見るにあながちそう見えなくもない。
てかあんな怪物現実にいないしというかここ日本なのか?
「ところでここはどこなんだ?」
「ここか?本当にお前大丈夫か?まあいいだろう。ここはエルダリア大陸の南に位置するファリギリア大森林の奥地だ。」
エルダリア大陸?
地理に疎い俺でもわかるがそんな大陸は存在しないはずだ。
もしかして本当に俺の二度目の人生が始まったのか?
にしてもなぜこんな中途半端な子供の状態から?
そういえば神様に頼むとき十歳ぐらいの子供の状態からって言ってたような言ってなかったような。
ああ!
なんでそう願っちまったんだ!
どうせなら一から温かい家庭でもう一度生まれたかったんだけど!
なんでこんな汗臭いおっさんと最初に出会わなきゃならねえんだよ!
「というかガキ。酔っ払ってとかじゃないんだったらお前なんでこんなところで寝てたんだ?」
「ガキじゃない!俺の名前はカズトだ!そして俺は前にこの世界とは違う世界で生活していたがなんやかんやあってこの世界に来た!っていったら信じるか?」
本当のことを言ったんだが信じてくれんのかこのおっさん。
「異世界から来たってのか?お前嘘は言ってないようだな。俺は相手の目を見るだけで嘘かどうか大抵わかるんだ。ま、当たらない時もあるがな。それと俺の名はロッドだよろしくな!」
嘘を見抜けるのかこのおっさん。
「え?ああ、よろしく。」
「ところでカズトよ。お前これからどうするんだ?もうすぐ日が暮れて強力な魔物がうろつき始めるぞ。」
「そうだな。あんたの家に泊めてくれよ!」
「ん?まあ良いだろう。」
「え?マジで?いいのか?」
絶対断られると思ったんだがこのおっさん案外優しいのか?
それから二十分ほど歩いて普通の民家っぽい家とボロい小屋が見えてきた。
「よし!じゃあ今日お前はここで寝るように。」
そんなことはなかったあああ!!
この男は俺にボロい方の小屋で寝ろというのだ。
「はあ!?冗談じゃねえ今まで生きてきた中でこんなところで寝たことは一度もねえよ!」
「贅沢言うな。本来ならば貴様を野宿させてもいいのだぞ?それにこの家と小屋の周辺には結界を張ってあるから魔物は入ってこれないはずだし安全だ。それとそこにベッドもあるだろ?」
「まあ確かにそうだな。本来ならばこんな小屋にすら泊まれないんだし。というかこれがベッドってただの藁を積み上げただけじゃねえか!それにちょっと臭いし。」
「じゃあ、ここに飯置いとくからまた明日~。」
「ちょ、ちょっと待てー!!」
行ってしまった。
しょうがない。
今日はここで寝るしかないか。
これから俺はどうなってしまうんだ。